今春、亡くなった版画家・田主誠(1942 -2023)の版画展を国立民族学博物館エントランスホールで開催します。
田主誠は、国立民族学博物館(みんぱく)の開館当初から広報誌『月刊みんぱく』や研究連絡誌『民博通信』の挿画をはじめ、みんぱくの研究者とコラボレーションする形で新聞や雑誌の仕事を数多く手掛けました。一方で、仮面や民具などみんぱくの収蔵品をモチーフにした作品や国内外の旅での心象風景、さらに文学や音楽、故郷・舞鶴に着想を得たものなど、独自の創作活動も抽象から具象まで膨大かつ多岐にわたります。そこには、みんぱくで出会った異文化への驚きや憧れ、旅先や日々の暮らしの中で触れあった人びとへの優しく温かいまなざし、ユーモアにあふれた人柄が感じられます。来年みんぱくが創設50周年を迎えるにあたり、その最初期からみんぱくとともに歩み、みんぱくをこよなく愛し、みんぱくから広がった体験や交流を心と表現の糧とした版画家の創作世界の一端をお楽しみください。
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