「友の会ニュース」289号(2024年11-12月号)

みんぱく友の会の会報紙「友の会ニュース」は隔月発行です。
289号では2024年11・12月の情報を中心にご案内しています。
※2024年10月21日時点で決定している情報です。詳細はみんぱくならびにみんぱく友の会のホームページをご確認ください。

紙面をクリックすると全頁のPDFをご覧いただけます。

【終了】日本万国博覧会記念公園シンポジウム2024 協働・共創の万博をめざして

本催しは終了いたしました。お申込みありがとうございました。

事前受付を終了いたしました。(10/25 12:00)
受付期間を延長いたしました。(10/18 17:00)
10/25(金)午前中までにお申込みください。みなさまのご参加をお待ちしております。


シンポジウム2024


日本万国博覧会記念公園シンポジウム2024
協働・共創の万博をめざして

あと半年で2025年大阪・関西万博が開幕します。本シンポジウムでは、万博に向けてどのような準備がなされているのか、具体的な取り組みをお伝えいたします。
当財団では、1970大阪万博が生み出したレガシーである万博記念公園、ならびに国立民族学博物館と協働し、「人類の進歩と調和」をテーマとした1970年大阪万博から得られた経験や知見を、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした2025年大阪・関西万博にどう活かし、未来に伝えていくか、について考える機会として、2021年度より毎年シンポジウムを開催しています。
2025年大阪・関西万博開幕を半年後にひかえての開催になる本シンポジウムでは、過去3回のシンポジウムの成果が実際の万博にどういかされつつあるのか、万博にかかわる方がたから具体的にご報告いただきます。パネルディスカッションでは、2025年大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を中心にとりあげ、「共創」、「SDGs」、「コミュニティ」、「教育」、「多文化共生」、「情報化」、「2025レガシー」、万博コンセプト「People’s Living Lab – 未来社会の実験場」などをキーワードに、万博のあり方について討論します。

チラシ表面 チラシ裏面

開催日
2024年10月26日(土)
13時30分~16時30分(13時開場)

会場
国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂)

参加費
無料

参加方法
①会場(定員350名、要事前申込、先着順)
②オンライン[ライブ中継](予約不要)
 ※当日、本ページでライブ配信いたします。

予約受付期間
2024年9月9日(月)~10月18日(金) 10月25日(金)午前中まで 

プログラム
13:30  主催者挨拶
        :中牧弘允 千里文化財団理事長
13:40  シンポジウム開催にあたって「協働・共創の万博をめざして」
        :吉田憲司 国立民族学博物館長
14:00  事例1) 万博テーマ事業<いのちを高める>(クラゲ館)における
                          共創・協奏の旅路と背後の哲学
        :中島さち子 株式会社steAm代表取締役、
                     大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー
                     (シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」)
14:20  事例2)「いのち」を大切にする社会を目指して
         ―「いのち会議」と「いのち宣言」
        :堂目卓生
                    大阪大学総長補佐、社会ソリューションイニシアティブ長
14:40  事例3)万博学という視座
        :佐野真由子 京都大学大学院教授
15:00  休憩(15分間)
15:15  パネルディスカッション
        :パネリスト 中島さち子、堂目卓生、佐野真由子
        :ファシリテーター 吉田憲司
16:30  閉幕

主催:公益財団法人千里文化財団
共催:大阪府、国立民族学博物館
協力:国立大学法人大阪大学、公益財団法人日本民芸館、大阪モノレール株式会社、公益財団法人関西・大阪21世紀協会、万博記念公園マネジメント・パートナーズ
後援:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、吹田市、NHK大阪放送局

 

これまでの日本万国博覧会記念公園シンポジウム
2021「人類・いのち・万博-1970から2025に向けて」
2022「人類よ、どこへ行く?ポストコロナの世界を占う Quo vadis. homini?」
2023「『日本人』の内と外-異文化接触を語り合う」

「友の会ニュース」288号(2024年9-10月号)

みんぱく友の会の会報紙「友の会ニュース」は隔月発行です。
288号では2024年9・10月の情報を中心にご案内しています。
※2024年8月20日時点で決定している情報です。詳細はみんぱくならびにみんぱく友の会のホームページをご確認ください。

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「季刊民族学」を閲覧できる公立図書館

施設名(五十音順) ※国公立大学図書館含む
青森公立大学図書館
旭川市中央図書館
茨木市立中央図書館
宇都宮大学附属図書館
大分県立芸術文化短期大学
大分県立図書館
岡山大学附属図書館
お茶の水女子大学附属図書館
神戸市立中央図書館
国立国会図書館
国立民族学博物館探求ひろば
国立民族学博物館図書館
札幌市中央図書館
滋賀県立図書館
島根県立図書館
吹田市立中央図書館
高崎経済大学図書館
高槻市立中央図書館
千葉県立中央図書館
都留文科大学附属図書館
東京農工大学小金井図書館
栃木県立図書館
富山大学図書館
公立大学法人奈良県立大学附属図書館
新潟県立大学図書館
新潟県立図書館
広島市立大学附属図書館
福井県立大学附属図書館
東京都文京区立本駒込図書館
三重大学附属図書館
三重短期大学附属図書館
宮崎県立図書館
宮崎公立大学附属図書館
山口県立大学附属図書館
山口県立山口図書館
山口大学総合図書館

季刊民族学189号 2024年夏

特集 先住民のデジタル世界――ありふれた日常実践と、あらたなる挑戦

 世界規模の情報通信インフラの拡充にともない、各地の先住⺠コミュニティにおいてもインターネットへのアクセスが⼀般的なものとなり、デジタル機器が盛んに利⽤されています。本特集では、SNS やアプリの利⽤、スマホでのやりとりなど、先住⺠のありふれた⽇常実践を通して、先住⺠の多種多様なデジタル世界とそこで展開されるあらたなる挑戦に迫ります。

目次
  • 000 表紙「ハンズフリー通話でつながる」撮影:平野智佳⼦
  • 001 目次
  • 002 表紙のことば 文:平野智佳⼦
  • 003 特集「先住民のデジタル世界――ありふれた日常実践と、あらたなる挑戦」
  • 004「躍動する先住民のデジタル世界」平野 智佳子(国⽴⺠族学博物館准教授)
  • 010「SNSを通したアボリジナリティの形成――ブロディ家の事例から」栗⽥ 梨津⼦(神奈川⼤学准教授)
  • 016「「歌と踊りのデジタルアーカイブ――先住⺠マオリによるFacebookの活⽤」⼟井 冬樹(天理⼤学講師)
  • 026「ロサンゼルスのメキシコ移⺠をつなぐゲラゲッツァ」⼭越 英嗣(都留⽂科⼤学准教授)
  • 034「オンライン化で変わる先住民居住区の暮らし――近くて遠いブリブリの人びととその世界」額田 有美(南⼭⼤学講師)
  • 042「クルージング・ザ・インターネット――ナヴァホ・ネイションにおけるデジタル・メディアとSNS」渡辺 浩平(国⽴⺠族学博物館外来研究員)
  • 046「⽻根飾りの冠に⼸⽮を構え、スマホで繋がりドローンを操る――ペルーのアマゾニア先住⺠の森と河を守る運動」神崎 隼⼈(⼤阪⼤学附属図書館特任研究員)
  • 054「国境係争地でスマホを開く――インド北東部における⼈、機械、環境の関係」⻑岡 慶(東京⼤学学振研究員)
  • 064「ネット コタン アンカㇻ(ネットのまちをつくる)――アイヌがネット空間でつながるために」北原 モコットゥナㇱ(北海道⼤学教授)
  • 070「街の空間とリズムに触発される――ハバナの⾳響空間、モザンビーク島の近所づきあい」松井 梓(国⽴⺠族学博物館特任助教)
  • 080「天上から地上へ魂を導く⼤凧――グアテマラ、マヤ先住⺠集落の死者の⽇」本⾕ 裕⼦(慶應義塾⼤学教授)
  • 091「『声』が聞こえる現象とは何か?――スピリチュアルと統合失調症のあいだの心理人類学」<後編>ターニャ・M・ラーマン(スタンフォード大学教授)
  • 096 連載 フィールドワーカーの布語り、モノがたり 第7回
    「中国貴州省、ミャオ族の頭布――日々の装いに起きた変化」佐藤 若菜(京都⼥⼦⼤学准教授)

 

編集後記

 今号の記事で気づくのは、情報メディアに関する多様な論考。特集はもとより、本谷論考に登場する凧は、祖霊や雷、またメリー・ポピンズなど異界の存在との通信手段でもあるし、松井論考の音響空間も体感メディアですね。情報メディアつながりで、私は「文明の追い越し論」を思い出しました。
 関西を基盤として東洋紡績(現・東洋紡株式会社)を発展させた谷口豊三郎氏は学問界のパトロンとしても知られ、民博も一九七七年から一九九八年にかけ、ふたつの国際シンポジウム開催への支援を受けてきました。そのひとつ「文明学部門」シリーズで語られた論点のひとつが、文明のシステムや制度面でのニューカマーはしばしば先達を追い越す、という追い越し論。通信インフラの分野でも、有線インフラ整備が困難だった多島地域や乾燥地域では、無線通信や衛星通信技術を取り入れることで通信網の整備が一気に進み、既存地域を追い越した、というのも一例です。
 今号の特集が紹介するのも、時間と空間の距離を克服するデジタル・メディアなればこその先住民社会での活用術の数々。非接触・非対面のコロナ禍でいっそう促進された活用法を、先住民社会がうまく生かす様子が描かれます。
 二昔前まで私が調査していたオーストラリア辺境の村にも、一九八〇年代に導入され始めたマイクロ波通信インフラが遠隔地の先住民間のコミュニケーションを一挙に変え、生活をも変えました。採集狩猟社会で無文字文化を基盤とする先住民の人びとは高い図的イメージ操作能力を維持しているのか、アイコンを多用するユーザインタフェースが特徴のMacに素早く馴染み使いこなす姿に、当時の私は目を見張りましたが、これはいまや日常の姿。
 先住民の人びとは、「自然に優しい」など憧憬の対象となる一方で、いまだに差別的な視線を向けられることもつづいており、外部からの情報発信がこれら両極の見方を過剰に増幅する現象も、情報メディアの負の側面でしょう。先住民が使いこなす情報メディアは、それらをいなしつつも、自文化の発展に寄与していますが、それだけでなく、もうひとつ重要な意義をもつ、と思われます。
 先住民の世界は、概して辺境で厳しい環境にあります。だからこそ、森林破壊、農地破壊、そして温暖化など、西欧型社会のつくりだす災禍の被害者です。そうした地域からのグローバルな問題の提起や異議申し立て、たとえば「気候正義」の訴えを、世界はもっと真摯に受けとめねば、と思うのです。
(編集長 久保正敏)

 

2024(令和六)年7月31日発行
発行所:公益財団法人 千里文化財団

『季刊民族学』は「国立民族学博物館友の会」の機関誌です。
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