2018年4月25日(金)~27日(土)にかけて寧夏回族自治区の銀川で開催された第7回国際工商人類学大会(The 7th International Conference on Business Anthropology 2018)に「国際著名学者」として招聘され、基調講演をおこないました。銀川は「一帯一路」政策の拠点都市のひとつであり、空港をはじめ、あちこちに建設ラッシュの槌音が聞こえ、開発の最前線であることが実感させられました(写真1)。近郊には西夏王国の王陵があり、賀蘭山岩画の遺跡もあって、映画のロケ地セットともども、観光名所となっています。
サミットはバトー教授の趣旨説明からはじまり(写真2)、3つの分科会の概要説明、スポンサー(日立、日産、FJORD、intel、RED ASSOCIATES、WAYNE STATE UNIVERSITY)の紹介とつづき、番号の書かれた紙切れを引いて、分科会に分かれました。わたしは市場動向、雇用動向、見通し調査を議論するグループに当たりましたが、司会者はいるものの、簡単な自己紹介の後は自由に発言する場となり、重要とおもわれる点を記録係がA2くらいの紙に逐次、手書きで書き込んでいくラウンドテーブルのようなスタイルとあって、かなりとまどいました。意見の集約をはかる際も、日本のKJ法とは異なり、意見(異見)を羅列していき、最後に代表者がシンセサイズ(統合)するというものでした。わたしも割ってはいって見解を述べましたが、うまく統合されたのかどうか。それはともかく、次なる段階では、おなじテーマの2つの小分科会が合流し、さらなる議論をつづけた後、全体会議がひらかれ、3分科会がそれぞれ10分ずつ記録紙を壁に貼り付けて報告しました。
おどろきつづきの結末は、デトロイトからの帰途、ミネアポリスで立ち寄った巨大なモールで「アンソロポロジー」という名の店舗を“発見”したことでした。Anthropologieとつづり、いかにもフランス風のしゃれたブティックでした(写真4)。八巻さんによれば20年も前からあり、AJJ(Anthropology of Japan in Japan)でも報告したというのですが、わたしには初見・初耳でした。そのアンソロポロジー社にはビジネス人類学の卒業生が多数、活躍の場を見いだしているとのことです。個性的なファッション、車椅子でもとおりやすい店舗レイアウトなど、観察・聞き取り・比較などの人類学的視点が生かされているそうです。日本でもネット販売がなされていて、グローバルなビジネスとなっています。