第481回 地球時代の片隅で-あるインディアンとウミガメの物語

演題
地球時代の片隅で-あるインディアンとウミガメの物語

内容

港町の主婦の豪快な運び方(撮影:高木仁)

地球時代とは、梅棹忠夫初代館長が70年代の著作のなかで用いた表現です。国を超えて境界なく考えなければ、物事の解決に至らない時代が来るという発想です。私はカリブ海のミスキート・インディアンと呼ばれる民族を調査していますが、彼らのなかには毎年数千頭ものウミガメを捕食して生活する人びとがいます。もし現代が地球時代であるならば、なぜこのような非持続的にも思える暮らしが成り立つのか。本講演では、研究成果を紹介しながら、この点を考えていきます。
※講演会終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます。

 

場所

国立民族学博物館2階 第5セミナー室

講師
高木  仁(国立民族学博物館外来研究員)

日時
2018年10月6日(土) 13時30分~14時40分

定員
96名(当日先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円

第480回絶滅危惧生物と人の交わり―捕獲、鑑賞、保全を中心に

演題
絶滅危惧生物と人の交わり
―捕獲、鑑賞、保全を中心に

温暖化の影響で絶滅の危機に瀕するホッキョクグマ(撮影・Bob Mesher)

内容
 ゴリラやアジアゾウ、スマトラトラ、アオウミガメ、トキら多種の生き物が絶滅の恐れがあると言われています。また、最近では、食料として利用されてきたナマコやマグロらも生息数が激減し、保全の必要性が叫ばれています。この講演では、世界各地における絶滅危惧生物と人との多様なかかわり方を概観した後に、北アメリカに生息するホッキョククジラやラッコ、ホッキョクグマをとりあげて、人との関係を歴史的な視点から検討します。
※講演会終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます。

 

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

講師
岸上 伸啓(人間文化研究機構理事、民博併任教授)

日時
2018年9月1日(土) 13時30分~14時40分

定員
96名(当日先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円

第479回 日本人のブラジル移住とコーヒー文化の逆流―カフエーパウリスタ箕面喫店を中心に

演題
日本人のブラジル移住とコーヒー文化の逆流
―カフエーパウリスタ箕面喫店を中心にー

カフエーパウリスタ箕面喫店(1911)(提供:箕面市行政史料(個人寄託))

日本人はコーヒー農園の労働者としてブラジルに移住しましたが、ブラジル側はコーヒーを飲む文化を日本に定着させようとしました。サンパウロ州政府からコーヒー豆の無償提供を受け、一杯5銭のコーヒーを飲ませるチェーン店カフエーパウリスタが銀座をはじめ各地にオープンしました。その1号店が箕面駅前にできたこと、しかもその建物が移築され、数年前まで豊中駅前に存在していたというコーヒー文化の‘秘史’について語ります。※講演会終了後、割引料金でニフレルをご見学いただけます(希望者のみ)。ニフレルの小畑洋館長の説明のあと、自由見学となります。受付時に1700円をお支払いください。

講師
中牧 弘允(千里文化財団理事長、吹田市立博物館長、国立民族学博物館名誉教授)

日時
2018年8月10日(金) 13時30分~14時40分

場所
ニフレル(大阪府吹田市千里万博公園2-1 EXPOCITY内 )
※当日ニフレル券売所前にて受付

定員
80名(当日先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円

【中止】第479回 ヒンドゥー教祭礼の読み解き方

演題
【第92回民族学研修の旅関連】
ヒンドゥー教祭礼の読み解き方

※大阪府北部を震源地とする地震の影響に伴う民博の臨時休館を踏まえて中止となりました。

女神祭礼の期間に祀られる女神像。これはウダイプルの様子。街と郊外では祭礼の趣きが異なる(提供・三尾稔)

内容
 ヒンドゥー教祭礼は、さまざまな神話上の出来事が起こったとされる日に合わせ、その出来事を人びとが再現したり祝ったりすることを基本とします。また、祭礼のタイミングは、農業や商業をはじめとした生業のサイクルの節目にあたることが多く、その節目ごとの豊穣や繁栄への願いも込められています。講演ではインド北西部の1年の祭事暦を例とし、ひとつひとつの祭礼がなぜ、どんな思いを込めて挙行されるのか、読み解いてゆきます。

※講演会終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます。※6月23日(土)同内容の講演会を東京でも開催します(第123回東京講演会参照)

講師
三尾 稔(国立民族学博物館教授)

日時
2018年7月7日(土) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円

第478回 カフィル・カラ遺跡とゾロアスター教ー発掘調査で出土した木彫り板絵から読み解く

演題
カフィル・カラ遺跡とゾロアスター教ー発掘調査で出土した木彫り板絵から読み解く

内容
 カフィル・カラ遺跡は、中央アジアのシルクロード都市サマルカンド(ウズベキスタン共和国)から南東方向に30キロメートルほど離れた場所に立地しています。遺跡から発掘された木彫り板絵には、獅子に乗った姿の女神ナナ、捧げものや燭台をもつ人、琵琶・竪琴・角笛の奏者などが彫り込まれています。女神ナナは、ゾロアスター教の中心的な神であったと考えられており、本講演では板絵の図像について遺跡の性格と絡めながら紹介します。

※講演会終了後、3次元レーザースキャナーを使った3D計測を実際におこないます(40分)。

講師
寺村 裕史(国立民学博物館准教授)

日時
6月2日(土) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会:無料、一般:500円

木彫り板絵発見時の発掘調査風景(提供・寺村裕史)