第86回 民族学研修の旅 ※本旅行は定員に達しました。引き続きキャンセル待ちで受け付けております。 チョコレートのふるさとを訪ねて ─ カカオと人の4000年をメキシコにさぐる

第86回 民族学研修の旅
※本旅行は定員に達しました。引き続きキャンセル待ちで受け付けております。

チョコレートのふるさとを訪ねて ─ カカオと人の4000年をメキシコにさぐる

2016年2月13日(土)~22日(月)【10日間】

カカオを食用する文化の発祥地はメソアメリカです。スペイン人が進出する以前、カカオは、すり潰したカカオ豆とともにトウモロコシの粉や唐辛子、アチョテとよばれる食紅等を加え泡立てる、苦い「飲み物」として嗜まれていました。高価で、口にできたのは王や貴族のみ。実は薬効的価値をもち、儀礼や儀式にも登場しました。16世紀以降、カカオを食用する文化はヨーロッパに渡りましたが、メキシコでは今も、独自に味や姿を変えて、カカオが人びとに親しまれています。

本旅行では4つの文明の遺跡を見学し、カカオが珍重された16世紀以前のメキシコ社会を知ると同時に、カカオ農園やカカオに関する博物館、カカオ料理が並ぶ市場を訪問し、現在のメキシコの人びととカカオの関係にも着目します。和食と同じく、無形文化遺産にも登録されているメキシコ料理のひとつ、カカオをもちいたモレ料理も楽しみます。

●2015年10月10日(土)にJICA地球ひろば(セミナールーム600)で、関連講演会を実施します。 旅行の動行講師である八杉佳穂先生を講師に迎え、16世紀以前のメソアメリカにおけるカカオ利用についてお話をうかがいます。くわしくは東京講演会のご案内をご覧ください。

★本旅行は好評につき、たくさんのお申込をいただいております。
残席については、事務局までお問い合わせください。

第85回 民族学研修の旅 手仕事への回帰 ─ カンボジア、東北タイの機織りの現場をめぐる

第85回 民族学研修の旅 手仕事への回帰 ─ カンボジア、東北タイの機織りの現場をめぐる

2015/02/01~02/09

衣類をはじめ、人間生活に欠くことのできない「織り」。その技術は有史以前より広範な地域で受け継がれてきました。作業を効率よくするために多様な織機が生まれ、大量生産をも可能にする一方で、それ以前より続く手仕事の織りの作業には衰退著しいものがありました。しかし、一部の地域では、そうした手仕事を今でも目にすることができます。

第85回民族学研修の旅では、カンボジア、東北タイの村々をたずね、今も暮らしのなかで営まれている、手仕事の現場をめぐります。 各地の自然・生活環境に即して受け継がれてきた織りの技術、素材、その道具には、人びとの創意工夫の知恵を垣間見ることができます。手仕事の重要性や、人が自然と共生しながら生きてきた術を「織り」を通して考えてみたいと思います。

【前半】
カンボジアの伝統的な絹絣の復興につとめるIKTT(クメール伝統織物研究所)、そのIKTTがすすめる「伝統の森・再生計画」の拠点である「伝統の森」を訪問します。生糸づくりや染織のみならず、カイコを育てる桑や染料の素材となる植物の栽培、織機の製作まで絹絣の製作に必要な一連の行程をすべて、工房内でおこなっています。工房の運営は、内線を契機として途切れかけた「技術の継承」「就労支援」の役割も担っています。文化復興の在り方、カンボジアの歴史や社会背景にも目を向けます。

【後半】
東北タイの村々をめぐり、暮らしのなかで営まれている機織りの現場をめぐります。 藍染めや絣織り、ゴザ織りなど、私たち日本人とも共通する織りの仕事を目にすることができます。 自給自足的な営みがいまなお息づくこの地においても、伝統的な織物は急速に姿を消しつつあります。 ほか、アンコール遺跡群やトンレサップ湖の周遊、各地の博物館や市場も訪問します。 現地の名物料理や、伝統芸能なども楽しみます。

※第69回体験セミナーの関連企画です。
手仕事による機織りの現場を訪ねる旅(海外編)です。


第85回 手仕事への回帰-カンボジア、東北タイの機織りの現場をめぐる 実施報告

なお暮らしの中で一部として受け継がれている自給自足的な機織りの現場を求めて、カンボジアとタイ東北部へと足を運びました。


IKTT(クメール伝統織物研究所)では、織りにまつわる様々な仕事を見せていただき、また自給自足的な生活を体験させていただくとともに、ハンカチの染色もおこないました。
みなさん、個性的な仕上がり!


自宅の一室(土間のようなところ)で絣織りをおこなう女性。


訪問先の村ではいずこでも、規模大小を問わず、養蚕風景がみられました。

第84回 民族学研修の旅 梅棹忠夫のモンゴル調査をたどる旅 ─ 中国内モンゴルの草原と史跡をゆく

第84回 民族学研修の旅 梅棹忠夫のモンゴル調査をたどる旅 ─ 中国内モンゴルの草原と史跡をゆく

2014年9月8日(月)~14日(日)7日間

1944年から45年にかけて、梅棹忠夫は、現在の中国内モンゴル自治区で現地調査をおこないました。現在、河北省に編入されている張家口を出発し、グンシャンダク砂丘を越えてモンゴル人民共和国(当時)との国境ちかくまで北上し、西スニト旗をとおって戻ること六ヶ月の旅でした。この内モンゴル調査をきっかけに、梅棹は動物の生態から人間の営みへと、しだいに関心を移していったといわれています。第84回民族学研修の旅では、終戦後、梅棹が引揚げ時に持ちかえった調査記録をもとに、かれの調査行をたどり、内モンゴル社会の変容にも目を向けてみたいと思います。 是非ご参加ください。

※ 6/28(土)開催の第109回東京講演会は、事前学習にもなる機会です。こちらも併せて、お申し込みをお待ちしております。

■スケジュール
【9/8(月)】
空路、東京・大阪よりそれぞれ北京へ。着後、専用バスにて河北省北西部の町・張家口へ。 ※添乗員は大阪より同行し(往復)、東京からのお客様とは北京にて合流します。(張家口泊)

【9/9(火)】
午前中、張家口観光(日本統治時代の役所建物、張家口誌史グループとの交流、万里の長城の主要な門・大境門など)。その後、専用バスにて、内モンゴル自治区・錫林郭勒(シリンゴル)盟の正藍旗(上都鎮)へ。(上都鎮泊)

【9/10(水)】
朝、2012 年にユネスコ世界遺産に登録された元上都遺跡を見学。その後、グンシャンダク砂丘にて砂と植物を見学します。昼食は、砂丘の南麓に位置する風光明媚なジャガスタイ湖付近のゲルにて、モンゴル族の家庭料理(羊肉料理やミルクティー、ヨーグルトなど)をご賞味ください。その後、専用バスにて正鑲白旗(ミンアント鎮)へ。(ミンアント鎮泊)

【9/11(木)】
専用バスにて蘇尼特(スニト)左旗(マンダラト鎮)へ。途中、清代に建立された布日都(ブルト)廟を訪問。着後、ゲルク派の古刹貝勒(ベーリン)廟跡へ往復観光。(マンダラト鎮泊)

【9/12(金)】
終日、スニト左旗の観光(吉仁(ジャラン)廟跡、スニト博物館)など。(マンダラト鎮泊)

【9/13(土)】
専用バスにてシリンゴル盟の中心地・錫林浩特(シリンホト)へ。着後、シリンホト観光(モンゴル族の歴史・文化・生活習慣を展示する蒙元文化博物館、内モンゴルの四大寺院のひとつ貝子(ベイス)廟、額爾敦敖包(エルデニ・オボ)山)。(シリンホト泊)

【9/14(日)】
朝、航空機にて北京へ。着後、航空機を乗り換えて帰国の途につきます。着後、解散。

みなさん、是非ご参加ください。


第84回 梅棹忠夫のモンゴル調査をたどる旅-中国内モンゴルの草原と史跡をゆく 実施報告

民博初代館長梅棹忠夫先生のモンゴル調査ルートをたどるため、中国内モンゴルを訪問しました。
併せて牧畜文化を対感することのできた7日間でした。


訪問先では、チーズや乳茶、馬乳酒と、いずれのお宅でもお手製の乳製品のもてなしをしていただきました。


牧畜民のゲルを訪問。
現代を生きる彼らは衛星放送を受信し、固定されたゲルに暮らしていました。


広大な土地。

第83回 民族学研修の旅 ベトナム西北部 少数民族の世界へ ─

第83回 民族学研修の旅 ベトナム西北部 少数民族の世界へ ─

2013年11月21日(木)~29日(金)

【盆地、山地にくらす少数民族】
あまり知られていませんが、ベトナムは54民族からなる多民族国家です。紅(ルビ:ホン)河デルタの中心に多数民族のキン族(ベト族)によって築かれた都ハノイから山に向かって100キロいかないうちに、少数民族の世界にはいります。それぞれの民族がそれぞれの社会的、政治的事情により、それぞれ独自の文化を歴史的につくりあげてきました。山を越え、谷をわたり、棚田が広がる美しい景観を楽しみながら旅ゆけば、ムオン、ターイ(白タイ、黒タイ)という盆地民、モン(赤モン、青モン)、ルー、ザオなどの山地民など、じつに多くの民族の人びとと出会えるでしょう。

【白タイの村のくらしを体験】
マイチャウでは白タイの村を訪ねます。村は水田が広がる美しい盆地にあります。同行講師の知人らが、現地式の宴会で私たちをもてなしてくださいます。村の人たちが囲炉裏でつくるおこわや民族料理、伝統的な壺酒(米の発酵酒)などをいただきます。村の高床式家屋に宿泊し、実際の住まいも体験できる予定です。

【市場でフィールドワーク】
朝夕の市場は活気があり、さまざまな珍しい現地の物産が売られているだけでなく、華やかな民族衣装をまとった少数民族に出会えるのも楽しみの一つです。観光地の市場は最近の観光化に伴い変化してきましたが、今回は村の人たちがふだん買い物をするような小規模な市場にもできるだけ立ち寄る予定です。民族によって顔つき、表情、身ぶり、売り方も違っていたりするので、人々のやりとりのようすもじっくり観察してみてください。ハノイやソンラーでは民族に関する博物館も訪ねますが、フィールドワーカーとして旅を楽しみましょう。

この時期のベトナム西北部はとても過ごしやすい気候です。山地民のモン族のガイドさんと棚田散策を楽しむ機会もあります。美しい景色、そしておいしい食べ物も楽しみましょう。運良く雲も月もない夜は、満天の星空が楽しめることでしょう。

ぜひご参加ください。


第83回 ベトナム西北部 少数民族の世界へ- 実施報告

2013年11月21日~29日 9日間の日程で、ベトナム西北部の少数民族の村を訪ねる民族学研修の旅を実施しました。 あちこちでバスをとめ、民家や市場をいくつも訪ねました。 それぞれの村でのお食事もおいしくて、みんないつでもお腹いっぱい状態でした。 参加者の中には植物に詳しい方も多く、植物談義も盛り上がりました。 また、白タイ族の村では高床住居にも泊まりました。 谷間に広がる棚田。 火がついている焼き畑。 鶏や豚が村を走り回り、水牛は夜になると自ら小屋に帰ってくる・・・ 動物と人間の距離がとても近くて、村でも市場でも動物、人が”生きている”というエネルギーを強く感じました。
参加者の感想をご紹介します。

佐藤芳郎さん
いろいろなところでバスをとめ、民家、風習の説明をうけ、つぶさに少数民族の実生活をみて、充実感をいだいた。

池谷正子さん
ベトナムの北西部=山地=不便=へき地と思っていましたので、アスファルトの道路に街並みという街の風景に驚きました。また、モン族、黒タイ族、ザオ族の家屋の中に入り、生活の様子を見聞することができたことはすばらしい経験でした。講師のフィールドワークの緻密さ、的確さに感謝すると同時にその知識を伝えてくださるこまかい配慮と、よく練られた行程に本当に満足する良い旅でした。

寺田一雄さん
北ベトナム少数民族の旅は2度目でしたが、講師や現地ガイドの丁寧な説明で、住居、生活、民具など、より詳しく見学でき、良かったです。この民博の研修旅行はこれ以上に考えられない旅行で、また参加したいです。


棚田と焼き畑


黒モン族の家を訪問


市場で購入した子豚を竹カゴに入れて持ちかえるモン族の女性


手すき紙を干しているところ

第82回 民族学研修の旅 マダガスカルの森と海を訪ねる ─ ─サザンクロス街道をゆく

第82回 民族学研修の旅 マダガスカルの森と海を訪ねる ─ ─サザンクロス街道をゆく

2013年7月9日(火)~7月20日(土)12日間

【霧の森、ザフィマニリの村を訪問】
特別展の舞台、ザフィマニリの村は標高千メートルの高地に点在しています。私たちはその玄関口となる村を訪ね、展示に登場した家の中を見せていただいたり、村を散策しながら、人びととの交流をはかります。 日本での展示開催にあたって、現地で協力してくれた人たちが展示を見た人の感想を聞きたいということで、展示場に「霧の森に通じるポスト」が設置されています。そこで集められた感想や手紙を村の人たちに届けながら、実際に現地を訪問している私たちの感想も伝えたいと思います。

【“無形文化遺産”の意味を理解する】
ザフィマニリの村には「特別な」建物や遺跡などはありません。彼らの場合は木彫に関わる技術や知識が、コミュニティを支えるのに重要な役割を果たしているということが、無形文化遺産登録のおもな理由でした。村では木彫だけでなく、カゴや敷物を編む姿など、身近にある材料で生活用具が作られる様子があちこちで見かけられます。なんの気負いもなく、必要なものをみずから作ってくらす村の空気、時間の中でこそ、こうした“無形文化遺産”の意味をより深く感じることができるのではないでしょうか。

【西海岸の漁村のくらし】
マダガスカルのくらしや文化は、森のくらしだけでは語ることができません。そこで海にくらす人びとも訪ねます。同行講師は長年、ヴェズという西海岸の漁民の人びとのくらしや漁撈技術の調査をすすめてきました。漁に使うカヌーを見せていただくなど、漁の様子や彼らのくらしについても、村の人からお話をうかがいます。 マダガスカルの森と海のくらしが今回の旅のテーマですが、やはりマダガスカルの壮大な自然も見逃せません。地図にお示ししたサザンクロス街道を走破しますので、マダガスカルの大きさ、そして多様な地形、環境の移り変わりもお楽しみください。