第413回 ビデオテークより 祭礼の変容を映像で見る ─インド・グジャラートの女神祭礼

演題
ビデオテークより
祭礼の変容を映像で見る ─インド・グジャラートの女神祭礼

内容
宗教祭礼は永続的なものと思われがちですが、急速に変化することがあります。インドの女神祭礼の資料映像を見ながら、何が、なぜ変わるのか。それでも変わらないものは何かを解説します。すでに公開されている番組と、制作中のものを比較しながら考えてみます。

※講演会終了後、質疑応答を中心とした懇談会を開催します(1時間程)

講師
三尾 稔(国立民族学博物館准教授)

日時
2012年11月3日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第67回体験セミナー ニッポンの漆を考える ─ ─世界最古の漆発見の地・鳥浜貝塚と越前漆器

第67回体験セミナー ニッポンの漆を考える ─ ─世界最古の漆発見の地・鳥浜貝塚と越前漆器

10月26日(土)~27日(日)

光り輝く蒔絵や螺鈿が施された漆器はかつてヨーロッパの人びとを魅了し、それらが「japan」とよばれたことはよく知られています。そうした調度品や高級漆器以外にも、漆はさまざまな場面で日本の生活、文化を支えてきました。「縁の下の力持ち」としての要素も含め、日本の生活や文化と漆の関係について、ひろく考えてみます。

【訪問先】
若狭三方縄文博物館(福井県三方町)、うるしの里会館、片山漆器神社(鯖江市)ほか


第67回 ニッポンの漆を考える-─世界最古の漆発見の地・鳥浜貝塚と越前漆器 実施報告

悪天候にも負けず、福井県の若狭三方縄文博物館や越前漆器の生産地・鯖江市を訪問しました。 縄文から始まって現代までの漆事情についてのレクチャーや、職人を含む現地の方々のお話をとおして漆の世界について考えました。神社に奉納されている漆器作りの道具を披露していただくなど、地元のみなさんにもご協力いただきました。夕食時の懇談会では漆についての質疑応答だけでなく、みなさんのふだんの活動などについてもお聞きでき、とても楽しい時間でした。

参加者の感想です。

野一色勲さん
鳥浜貝塚の発掘途中で緑色の葉が見つかった話(泥に密閉されたために奇跡的に残った)に感動した。タイムカプセルに入ったような気分。

安原賢治さん
日高先生の解説、ふたつの漆器神社の見学、うるしの里会館での解説など、さまざまな角度から考えられて良かった。漆製品を使ってみようかな、と思った。

佐藤芳郎さん
以前の体験セミナーで行った木地師資料館で聞いた話を思い出した。技術者集団の拡散、交流、権威づけによる地位向上、対立、継承などがほそい糸でつながったように感じた。


片山漆器神社にて神社に保存されている漆工道具の解説を聞く


若狭三方縄文博物館にて出土した漆製品についての解説を聞く

第412回 特別展「世界の織機と織物」関連 世界の織機と異形の織物

演題
特別展「世界の織機と織物」関連
世界の織機と異形の織物

内容
世界各地では、さまざまな織機を使って、さまざまな織物が織られてきました。今回は、それらのうちから、輪状、楕円状、管状、丸紐状、ひだ状、交叉状、フォーク状、うろこ状、袋状などの異形の織物と、それらを織る織機を紹介します。

※講演会終了後、見学会(1時間程度)を開催します。

講師
吉本 忍(国立民族学博物館教授)

日時
2012年10月6日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第66回体験セミナー企画展「記憶をつなぐ」関連 「稲むらの火祭り」訪問と企画展および関連催し「鵜鳥神楽」見学会 ─*現地の事情により中止となりました。

第66回体験セミナー企画展「記憶をつなぐ」関連
「稲むらの火祭り」訪問と企画展および関連催し「鵜鳥神楽」見学会 ─

2012/10/20~10/21 1泊2日 *現地の事情により中止となりました。

今回の震災をうけて、ある地震研究者は「完全な地震の予知、巨大な堤防の建設よりも1,000年間この経験を伝えるために、世代ごとにその時代に合わせた方法を考えることが必要ではないか」と述べています。本企画展でも日本の沿岸部に残る津波碑や寺社による地震や津波の記録を伝える役割について取り上げていますが、その一つである和歌山県広川町では、稲むら(稲藁)に火を放ち避難者を誘導した逸話の記憶をつなぐさまざまな取り組みをおこなっています。記念碑だけでなく、語り聞かせや堤防の土を盛る追体験のほか、逸話にちなんだ松明行列を含む祭りも開催しています。今回はこの祭りにあわせて同地を訪問し、町としての継承活動について学びます。

翌日は企画展の見学会のあと、企画展関連催し「鵜鳥神楽」も観覧します。鵜鳥神楽は三陸沿岸の村々を回って歩く大きな神楽で、無形文化財にも指定されています。展示では神楽の装束が展示されています。被災後、早くから神楽の復興が目指され、人びとの心の拠り所ともなってきました。

祭りをとおして地域にとって重要な情報を継承する事例、また、祭りがいわば紐帯として地域の人びとの気持ちをつなぐ事例など、祭りの意味についてもさまざまな角度から考える機会にしたいと思います。

講師:日高 真吾(国立民族学博物館准教授)

10/20(土)稲むらの火祭り見学
祭りが行われる広八幡神社、稲むらの火の館、濱口梧陵関連史跡などを見学。夕方から稲村の火祭りの松明行列に参加。

10/21(日)企画展および研究公演「鵜鳥神楽」見学
貸切バスで国立民族学博物館へ移動。解説つきで企画展を見学後、午後からは研究公演「鵜鳥神楽」を観覧。 (開催中の特別展「世界の織機と織物」もあわせてご覧下さい)