第423回 みんぱくコレクションを語る カチーナ人形の作り手たち ─40年後の「もの語り」の可能性

演題
みんぱくコレクションを語る
カチーナ人形の作り手たち ─40年後の「もの語り」の可能性

内容
カチーナ人形はアメリカ先住民のホピの人びとが儀礼で用いる木製の人形です。みんぱくは1980年前後に283点を収集しましたが、資料情報がたいへん限られている状態です。人形の台座に記されたサインを手がかりに、制作者本人や親族を探し出すことができたので、将来的にはインタビュー調査を行う予定です。人形資料を介した「もの語り」の可能性についてお話します。

※講演会終了後に懇談会をおこないます。(1時間程度)

講師
伊藤 敦規(国立民族学博物館助教)

日時
2013年9月7日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第422回 新日本の文化展示関連 日本の森とミツバチと人

演題
新日本の文化展示関連
日本の森とミツバチと人

内容
日本の文化展示では、長崎県対馬を事例にして現在の日本の養蜂を新しく紹介しています。対馬では大木をくりぬいて作るハチドウを用いた伝統的な方法で、野生のニホンミツバチから蜜を集めています。蜂の来訪を待つだけでなく、群れを誘導したり巣を移植したりもします。日本の里山のしくみに養蜂がいかに結びついているのか、世界各地の養蜂の事例と比較しながらお話します。

※講演会終了後に懇談会をおこないます。(1時間程)

講師
池谷 和信(国立民族学博物館教授)

日時
2013年8月3日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第421回 新日本の文化展示関連 罠猟のイノベーション ─動物との根比べ

演題
新日本の文化展示関連
罠猟のイノベーション ─動物との根比べ

内容
狩猟用の罠は、身近な素材を利用して誰でも作ることができ、サイズや作動する仕組みを千差万別に変えることができます。さらに興味深いのは、この知恵の継承が伝播論では説明できず、発明の時空間が多様な点です。リニューアルした日本の文化の展示場にある、現代の日本の罠をてがかりに、罠の進化を考えてみましょう。

※講演会終了後、質疑応答を中心とした懇談会を開催します(1時間程度)

講師
野林 厚志(国立民族学博物館教授)

日時
2013年7月6日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第82回 民族学研修の旅 マダガスカルの森と海を訪ねる ─ ─サザンクロス街道をゆく

第82回 民族学研修の旅 マダガスカルの森と海を訪ねる ─ ─サザンクロス街道をゆく

2013年7月9日(火)~7月20日(土)12日間

【霧の森、ザフィマニリの村を訪問】
特別展の舞台、ザフィマニリの村は標高千メートルの高地に点在しています。私たちはその玄関口となる村を訪ね、展示に登場した家の中を見せていただいたり、村を散策しながら、人びととの交流をはかります。 日本での展示開催にあたって、現地で協力してくれた人たちが展示を見た人の感想を聞きたいということで、展示場に「霧の森に通じるポスト」が設置されています。そこで集められた感想や手紙を村の人たちに届けながら、実際に現地を訪問している私たちの感想も伝えたいと思います。

【“無形文化遺産”の意味を理解する】
ザフィマニリの村には「特別な」建物や遺跡などはありません。彼らの場合は木彫に関わる技術や知識が、コミュニティを支えるのに重要な役割を果たしているということが、無形文化遺産登録のおもな理由でした。村では木彫だけでなく、カゴや敷物を編む姿など、身近にある材料で生活用具が作られる様子があちこちで見かけられます。なんの気負いもなく、必要なものをみずから作ってくらす村の空気、時間の中でこそ、こうした“無形文化遺産”の意味をより深く感じることができるのではないでしょうか。

【西海岸の漁村のくらし】
マダガスカルのくらしや文化は、森のくらしだけでは語ることができません。そこで海にくらす人びとも訪ねます。同行講師は長年、ヴェズという西海岸の漁民の人びとのくらしや漁撈技術の調査をすすめてきました。漁に使うカヌーを見せていただくなど、漁の様子や彼らのくらしについても、村の人からお話をうかがいます。 マダガスカルの森と海のくらしが今回の旅のテーマですが、やはりマダガスカルの壮大な自然も見逃せません。地図にお示ししたサザンクロス街道を走破しますので、マダガスカルの大きさ、そして多様な地形、環境の移り変わりもお楽しみください。