第426回 フィールドワークを語る ドリアン王国探訪記

演題
フィールドワークを語る
ドリアン王国探訪記

内容
『ドリアン王国探訪記』は、私がマレーシアの先住民オラン・アスリの研究のために、2年半現地に住みこんで調査をした時の体験をまとめた本のタイトルです。「ドリアン王国」は、オラン・アスリの世界を架空の王国になぞらえて称したものです。異文化ならではの失敗やトラブルを経験しながら、何とか首長の養子になる儀礼を経て、村に受け入れてもらうまでの体験をお話します。その儀礼の様子を収めた映像もお見せします。

※講演会終了後、質疑応答を中心とした懇談会を開催します(1時間程度)

講師
信田 敏宏(国立民族学博物館准教授)

日時
2013年12月7日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第107回 ビデオテークより 婚礼に映しだされるインドのいま

演題
ビデオテークより
婚礼に映しだされるインドのいま

内容
盛大なことで知られるインドの婚礼は、経済発展を背景にますます華麗におこなわれるようになっています。婚礼にうつしだされるインド社会の現在の姿はどのようなものでしょうか。また婚礼にかける人びとの思いはどのようなものでしょうか。インド西部のラージャスターン州で2012年に行った取材に基づくビデオテーク映像の一部をお見せしながら、インドの婚礼の変わりつつある部分と変わらない部分について考えたいと思います。

講師
三尾 稔(国立民族学博物館准教授)

日時
2013年12月21日(土) 14時~15時30分

場所
モンベル品川店2Fサロン

定員
60名(申込先着順)

備考
■友の会、モンベル会員:無料

第425回 くすりの民族学

演題
くすりの民族学

内容
現在の日本は医学が発達し、長生きで健康的な生活が送れるようになりました。これは西洋医学のおかげですが、一方で高額な医療費、効き目の強い薬が用いられるなどの弊害も抱えています。そうした中で、日本に限らず世界各地の土着的な医療が見直されつつあります。日本ではいまも伝統的な売薬や民間薬が活用されています。日本人の薬の使用の歴史を考えながら、薬草についてお話します。

※講演会終了後、質疑応答を中心とした懇談会を開催します(1時間程度)

講師
小山 修三(千里文化財団理事長、国立民族学博物館名誉教授)

日時
2013年11月2日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第83回 民族学研修の旅 ベトナム西北部 少数民族の世界へ ─

第83回 民族学研修の旅 ベトナム西北部 少数民族の世界へ ─

2013年11月21日(木)~29日(金)

【盆地、山地にくらす少数民族】
あまり知られていませんが、ベトナムは54民族からなる多民族国家です。紅(ルビ:ホン)河デルタの中心に多数民族のキン族(ベト族)によって築かれた都ハノイから山に向かって100キロいかないうちに、少数民族の世界にはいります。それぞれの民族がそれぞれの社会的、政治的事情により、それぞれ独自の文化を歴史的につくりあげてきました。山を越え、谷をわたり、棚田が広がる美しい景観を楽しみながら旅ゆけば、ムオン、ターイ(白タイ、黒タイ)という盆地民、モン(赤モン、青モン)、ルー、ザオなどの山地民など、じつに多くの民族の人びとと出会えるでしょう。

【白タイの村のくらしを体験】
マイチャウでは白タイの村を訪ねます。村は水田が広がる美しい盆地にあります。同行講師の知人らが、現地式の宴会で私たちをもてなしてくださいます。村の人たちが囲炉裏でつくるおこわや民族料理、伝統的な壺酒(米の発酵酒)などをいただきます。村の高床式家屋に宿泊し、実際の住まいも体験できる予定です。

【市場でフィールドワーク】
朝夕の市場は活気があり、さまざまな珍しい現地の物産が売られているだけでなく、華やかな民族衣装をまとった少数民族に出会えるのも楽しみの一つです。観光地の市場は最近の観光化に伴い変化してきましたが、今回は村の人たちがふだん買い物をするような小規模な市場にもできるだけ立ち寄る予定です。民族によって顔つき、表情、身ぶり、売り方も違っていたりするので、人々のやりとりのようすもじっくり観察してみてください。ハノイやソンラーでは民族に関する博物館も訪ねますが、フィールドワーカーとして旅を楽しみましょう。

この時期のベトナム西北部はとても過ごしやすい気候です。山地民のモン族のガイドさんと棚田散策を楽しむ機会もあります。美しい景色、そしておいしい食べ物も楽しみましょう。運良く雲も月もない夜は、満天の星空が楽しめることでしょう。

ぜひご参加ください。


第83回 ベトナム西北部 少数民族の世界へ- 実施報告

2013年11月21日~29日 9日間の日程で、ベトナム西北部の少数民族の村を訪ねる民族学研修の旅を実施しました。 あちこちでバスをとめ、民家や市場をいくつも訪ねました。 それぞれの村でのお食事もおいしくて、みんないつでもお腹いっぱい状態でした。 参加者の中には植物に詳しい方も多く、植物談義も盛り上がりました。 また、白タイ族の村では高床住居にも泊まりました。 谷間に広がる棚田。 火がついている焼き畑。 鶏や豚が村を走り回り、水牛は夜になると自ら小屋に帰ってくる・・・ 動物と人間の距離がとても近くて、村でも市場でも動物、人が”生きている”というエネルギーを強く感じました。
参加者の感想をご紹介します。

佐藤芳郎さん
いろいろなところでバスをとめ、民家、風習の説明をうけ、つぶさに少数民族の実生活をみて、充実感をいだいた。

池谷正子さん
ベトナムの北西部=山地=不便=へき地と思っていましたので、アスファルトの道路に街並みという街の風景に驚きました。また、モン族、黒タイ族、ザオ族の家屋の中に入り、生活の様子を見聞することができたことはすばらしい経験でした。講師のフィールドワークの緻密さ、的確さに感謝すると同時にその知識を伝えてくださるこまかい配慮と、よく練られた行程に本当に満足する良い旅でした。

寺田一雄さん
北ベトナム少数民族の旅は2度目でしたが、講師や現地ガイドの丁寧な説明で、住居、生活、民具など、より詳しく見学でき、良かったです。この民博の研修旅行はこれ以上に考えられない旅行で、また参加したいです。


棚田と焼き畑


黒モン族の家を訪問


市場で購入した子豚を竹カゴに入れて持ちかえるモン族の女性


手すき紙を干しているところ

第424回 特別展「渋沢敬三記念事業 屋根裏部屋の博物館」関連 渋沢敬三の「民具」へのこだわり

演題
特別展「渋沢敬三記念事業 屋根裏部屋の博物館」関連
渋沢敬三の「民具」へのこだわり

内容
アチックミューゼアムの設立者、渋沢敬三は日本銀行総裁や大蔵大臣をつとめる一方、膨大な量の民俗資料を収集し、毎朝、出勤前の2時間を民俗学の研究にあてるなど、地道な研究をおこなう学者、文化人としても熱心に活動していました。民具という考え方を提唱したのも渋沢敬三でした。彼がそれほどまでに民俗学に傾倒した事情や社会的背景などについてお話します。

※講演会終了後に見学会をおこないます。(1時間程度)

講師
小島 摩文(鹿児島純心女子大学教授)

日時
2013年10月5日(土) 14時~15時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料