第458回 第88回民族学研修の旅関連 ネパール「市民社会」の再編を展望する

演題
第88回民族学研修の旅関連
ネパール「市民社会」の再編を展望する

内容
2015年、大規模な震災に見舞われたネパール。地震発生直後には、カーストや民族、宗教、社会階層など、多様な価値観をもつ人びとの間に共同の精神が生まれ、分断されていた「市民社会」が立ち現われました。こうした契機は今回に限ったことではありません。1951年の「開国」以降、民主化、マオイストの台頭、王制 の廃止など、節目のたびに、社会再編の機運が、人びとのなかで高まりを見せてきたのです。本講演会では、社会の再編に至る、今までとこれからを展望します。

※講義(70分)終了後、映像資料を鑑賞します。

講師
南 真木人(国立民族学博物館准教授)

 

日時
2016年9月3日(土) 13時30分~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円

第73回体験セミナー 目と舌で知るネパール―映像鑑賞と国民食「ダール・バート」を手で食べる ─

第73回体験セミナー 目と舌で知るネパール―映像鑑賞と国民食「ダール・バート」を手で食べる ─

2016年9月30日(金)11時~15時

みんぱくが取材した映像番組を鑑賞しながら、ネパールの国民食「ダール・バート」をいただきます。

北海道の1.8倍ほどの面積のなかに、標高差の異なる自然環境と、多様な価値観をもつ人びとが暮らしを営むネパール。ことばや慣習もさることながら、食文化ももちろん多様です。そんななか「ダール・バート」は、「ダール(豆のスープ)」「タルカーリー(カレー風味のおかず)」「アチャール(漬物)」「バート(ご飯)」で構成され、味付け等に地域差はあれど、ネパール全域で食される、いわば国民食。食事の準備や食べ方、食材や調理/飲食の場、そしてとくに重要な衛生観念など、「食」を通して、ネパールの根底にある文化や価値観に迫ります。

映像は『山村の結婚式』(2013年撮影)、『ガイネ』(1982年撮影)を鑑賞します(「ガイネ」は現在「ガンダルバ」と呼ばれる元楽師カーストです)。婚姻儀礼と伝統楽器の演奏の在り方に着目し、「都市と地方」、「王制廃止以前と以降」といった地域的、時間的比較も踏まえながら、ネパール社会の変化・変容をさぐります。みなさん、ぜひご参加ださい。

※食事はフォーク等の用意もあります。

第457回 フィリピンから海外に向かう人びと 日本と韓国の事例を中心に

演題
フィリピンから海外に向かう人びと 日本と韓国の事例を中心に

内容
フィリピンは、国外に約1024万人もが居住する「移民送り出し大国」です。日本には23万人のフィリピン人が暮らしています。かつての宗主国であるアメリカ合衆国をはじめ、中東や欧州、アジアには、男性労働者のみならず、介護や看護に従事する女性が、そして日本や韓国には、移住先社会の男性と婚姻を結ぶ女性が多く居住しています。本講演会では日本と韓国に住むフィリピン人移住者に注目し、コミュニティの活動や現地社会との関係構築の在り方について紹介します。

※講義(70分)終了後、講師を囲んで懇談会をおこないます。

講師
永田 貴聖(国立民族学博物館機関研究員)

日時
2016年8月6日(土) 13時30分~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円

第87回 民族学研修の旅 フィンランドとエストニアの原風景に出会う ─ 森の恵みと唄を愛する人びとを訪ねて

第87回 民族学研修の旅 フィンランドとエストニアの原風景に出会う ─ 森の恵みと唄を愛する人びとを訪ねて

2016年8月1日(月)~8月9日(火)

フィンランド東部の北カレリア地方、エストニア南東部のセトゥ地方―ともにロシアに隣接するこの地域では、民俗文化や宗教面でロシアの影響がみられるとともに、周縁の地であるがゆえに両国では失われた独特の文化が息づいています。

本旅行では、ヘルシンキやタリンといった主要都市とともに、このふたつの地域をめぐり、両国の原風景をさぐります。セトゥ地方では「セトゥ王国祭」に参加します。伝統歌唱「セトゥ・レーロ」はユネスコの無形文化遺産に登録されています。あわせて豊かな森林資源とともに育まれてきた「木の文化」にも注目します。伝統的な木造建築を見学するほか、自然散策の時間もしっかりご用意しました。

●本旅行の関連講演会を実施します。
旅行の同行講師である庄司博史先生を講師に迎え、近年、過疎化と多数派への同化の波のなかで、地域にとどまり、伝統文化を守ろうとする両地域の人びとの姿を追います。

・東京:2016年4月23日(土)/モンベル渋谷店
・大阪:2016年5月7日(土)/国立民族学博物館
※詳しくは、第454回友の会講演会、第115回東京講演会の案内をご確認ください。

第456回 新中央・北アジア展示関連 中央アジアのイスラーム ある家族の物語から

演題
新中央・北アジア展示関連
中央アジアのイスラーム ある家族の物語から

 

内容
中央アジアに生きるテュルク系・イラン系の民族は、おもにスンナ派イスラームを信仰しています。 宗教は消滅すべきものとして、社会主義に基づく近代化が推し進められたソ連時代をはさんで、イスラームとの向き合い方も大きく様変わりしました。 本講演会ではカザフスタンに暮らすある家族に注目して、世代や個人によるイスラームの受け止め方の違いについてお話し、中央アジアにおけるイスラームの変容と 継承の在り方をさぐります。

※講義(70分)終了後、講師を囲んで懇談会をおこないます。

講師
藤本 透子(国立民族学博物館助教)

日時
2016年7月2日(土) 13時30分~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料、一般:500円