第477回 富士山―水と世界遺産を考える

演題
【第79回体験セミナー関連/みんぱく名誉教授シリーズ】
富士山―水と世界遺産を考える

 

忍野八海の涌池における富士山の湧水(提供・秋道智彌)

内容
富士山は2013年6月22日、第37回世界遺産委員会において「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」としてユネスコの世界遺産に登録決定されました。世界遺産の構成遺産は25あり、このうち富士五湖、忍野八海、白糸の滝、富士山本宮浅間神社など、水と関わりのあるサイトは半数以上に達します。富士山に降った雨や雪は地下に浸透し、湧水として湧き出す。富士山の水と生活や文化、信仰との関わりの歴史を振り返り、世界遺産としての意味を考えます。

※講演会終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます。

 

講師
秋道 智彌
(山梨県立富士山世界遺産センター所長、国立民族学博物館名誉教授)

日時
2018年5月5日(土・祝) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(当日先着順)

備考
■友の会:無料、一般:500円

 

第91回 モンゴル、遊牧の民に出会うー揺籃の地オルホン川上流域と草原都市ウランバートルを訪ねる⑵

タイトル
モンゴル、遊牧の民に出会うー揺籃の地オルホン川上流域と草原都市ウランバートルを訪ねる⑵

内容
 みなさんの声にお応えして、2018年もモンゴル国にまいります!
 モンゴル高原では古来、さまざまな民族が主役の座を交代しながら遊牧文明が維持されてきました。そこで育まれた移動性と柔軟な精神を受け継ぐのがモンゴル遊牧民です。遊牧民族の興亡を物語る史跡が点在する緑豊かなオルホン川上流域エリアと国の人口の約半数が居住する首都ウランバートルを訪ね、草原と都市、過去と現在を比較しながらモンゴル遊牧民の営みとその精神をさぐります。遊牧民のゲルを訪ね、搾乳や乳製品づくり、羊の解体などを見学します。 白い食べもの(乳製品)と赤い食べもの(肉料理)を楽しみましょう。 中央・北アジア展示場のゲルの持ち主であったエンフバト家も訪ねます。詳細はチラシをご確認ください。

講師
小長谷 有紀(国立民族学博物館教授)
イチンホルローギーン・ルハグワスレン
    (モンゴル科学技術大学教授)

期間
2018年8月8日(水)~8月15日(水) [8日間]

放牧前の家畜。うしろには緑豊かなオルホン川上流域の草原

申込締切
2018年6月5日(火)

定員
24名(最少催行人数15名)

参加費用
398,000円(他、空港使用料等が必要です)

突厥碑文。漢字と突厥文字で異なる歴史が刻まれている

備考
■お一人部屋(有料)のご希望もうけたまわります。
■正会員、体験会員にご登録いただくことで一般の方もご参加いただけます。

第78回 世界の製藍、日本の藍染めー気候と風土に育まれた色、藍を知る

演題
世界の製藍、日本の藍染めー気候と風土に育まれた色、藍を知る    

乾燥させた蓼藍の葉を「蒅の室」の床に積み上げて、水を打って繊維発酵させ、発酵温度にあわせて「切り返し」と「水打ち」を繰り返す(提供・井関和代)

内容
 藍植物とは、藍色の成分をもつ植物の総称で、世界各地に100種以上あることが知られています。藍は生葉でも染めることができますが、それでは作業が植物の生育シーズンに限られ、また濃い青色に染めることができません。そこで人びとは、藍を染料化して貯蔵できる状態にする製藍の技術を見出しました。乾藍や玉藍、沈殿藍など民族独自のさまざまな製藍技術が各地で生まれました。これには、日本固有の藍染料「蒅」も含まれます。本セミナーでは、世界各地の製藍・染色技術とともに、日本固有の藍染めを体験的に知ることで、藍の面白さ、「染める」という行為の奥深さについて理解を深めます。
 見学先となる紺九は、明治3年創業の紺屋(藍染屋)です。かつて日本各地にあった紺屋では、阿波産の藍を取り寄せるのが普通でしたが、栽培、蒅つくり、染めを一貫しておこなうのが紺九の藍染め。桂離宮の襖紙の染色など、文化財の修復にも携わっておられる4代目の義男さんは、国の選定技術保存保持者でもあります。自家製の藍で染色体験をさせていただくほか、藍と向き合う日々のお仕事、文化財修復についてのお話などもうかがいます。

トーゴ・ミナの製藍作業。藍藤(ヨルバ・インディゴ)の幼葉をつき、丸めて乾燥して保存(提供・井関和代)

【実施プログラム】
■レクチャー
「藍染めとはー世界各地の製藍事例を踏まえて」(講師:井関和代)
100を超える藍有植物でなされる藍染めは、その製藍技術も、染色技術も、地域・民族によってさまざまです。各地の事例とともに、藍染めについて理解を深めます。

■現場見学
栽培から染色までを一貫しておこなう紺九の藍染め。藍畑、蒅の室、染め場を見学し、日本の藍染めについて理解を深めます。

■染色体験
紺九では化学薬品を使わず、蒅と灰汁だけを用いて藍染液をつくります。染め場をお借りしてスカーフを染めます。染色した布はお持ち帰りいただきます。

この染め場で染色体験をさせていただく(提供・井関和代)

■資料閲覧① 紺九の藍染め
紺九は文化財の修復作業にも携わっています。染め糸や布、紙などの染色資料を、解説を交えて見せていただきます。

■資料閲覧② 世界の藍染め(解説:井関和代)
東南アジアやアフリカなど、講師が各地で収集した染色資料を見せていただきます。絞り染めやろうけつ染めなど、染色技術の面白さにも注目します。

マリ・ボゾの藍建て作業。灰汁を入れた壺に玉藍をほぐして投入。発酵を待つ(提供・井関和代)

※紺九の染色品の販売もおこないます。

【注意事項】
・汚れてもよい服装、靴でご参加ください。スニーカーなど、靴底の平坦な動きやすい靴でお願いします。薄手のゴム手袋もご用意ください。
・レクチャー、資料閲覧、昼食は紺九・森さんのご自宅の和室を利用させていただきます。昼食はお弁当です。

講師
井関 和代(大阪芸術大学名誉教授)
協力
森 義男、森 芳範(紺九)

日時
①2018年5月26日(土) 
②2018年5月27日(日)

10時30分~17時00分 ※集合場所:JR野洲駅(10時)

場所
紺九[滋賀県野洲市小篠原1603]

募集人数
20名(最少実施人数15名)※申込先着順

参加費
友の会会員:13,500円 一般:15,500円

申込方法
友の会事務局までお申し込みください。※申込締切:2018年4月27日(金)

第122回 【開館40周年記念特別展「太陽の塔からみんぱくへー70年万博収集資料」関連】のこされたミッションーEEM(万博資料収集団)からみんぱく へ

演題
【開館40周年記念特別展「太陽の塔からみんぱくへー70年万博収集資料」関連】
のこされたミッションーEEM(万博資料収集団)からみんぱく へ

特別展は3/8から5/29まで開催

内容
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会。テーマ館であった太陽の塔の地下には、世界各地の民族資料が展示されていました。 その資料の収集に当たったのが、若い人類学者で構成された「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団(EEM)」です。彼らの収集活動から国立民族学博物館の創設にいたる経緯を、当時の記録をもとに紹介します。

※講演会終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます。

講師
野林 厚志(国立民族学博物館教授)

日時
2018年4月14日(土) 13時30分~14時40分

場所
モンベル御徒町店4Fサロン

定員
60名(申込先着順)

備考
■友の会・モンベル会員:無料、一般:500円

第476回 文化遺産としての日本万国博覧会ー人類と進歩の調和を再考する

演題
【開館40周年記念特別展「太陽の塔からみんぱくへー70年万博資料」関連】
文化遺産としての日本万国博覧会ー人類と進歩の調和を再考する

内容
1970年に開催された日本万国博覧会は、世界77カ国が参加し、183日間の会期中に6420万人が入場した昭和の国民的イベントでした。あれから約半世紀、当時のテーマ館の地下展示場を飾った民族資料が国立民族学博物館で再び展示される今春、あらためて万博とはなんだったのかを考えてみたいと思います。万博のテーマとして設定された「人類の進歩と調和」の意味を、太陽の塔と世界各地から集められた民族資料を手掛かりに考察します。

※講演会終了後、特別展の見学会をおこないます。(40分。要友の会会員証、もしくは展示観覧券)

講師
鈴木 紀(国立民族学博物館准教授)

日時
4月7日(土) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会:無料、一般:500円
※展示見学会に参加の方は会員証もしくは展示観覧券をご提示ください。