人類学者たちのフィールドワーク

【連続講座のご案内】
素顔の地球に出会う ─人類学者たちのフィールドワーク

現地におもむき、人びとと暮らしをともにしながら調査をおこなうフィールドワーク(現地調査)。
20人の研究者の調査を綴った「フィールドワーク選書」全20巻完結にあわせて、連続講座を開催します。 研究論文からはこぼれ落ちてしまうような、出会いや葛藤、予想外の展開など、研究者がひとりの人間として現地社会と向き合う様子をお話します。 (講義(70分)終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます)

■第1回 6月11日(土)13:30~15:30
南太平洋のサンゴ島を掘る──女性考古学者の謎解き

講師:印東道子(国立民族学博物館教授/専門:オセアニア考古学・人類学)
資源に乏しいサンゴ島に、人はいつから住み、どんな生活をしていたのでしょうか。  出土遺物から明らかになる驚きの事実とともに、ミクロネシア・ファイス島の人びとと歓びを分かち合った発掘調査についてお話しします。

 

■第2回 9月10 日(土)13:30~15:30
人間にとってスイカとは何か──カラハリ狩猟民と考える

講師:池谷和信(国立民族学博物館教授/専門:環境人類学、人文地理学、生き物文化誌学)  水分補給に、食用に、時には家畜の餌に……。ともに暮らしたカラハリ砂漠の狩猟民は「スイカがあれば人は生きていける」と語ります。  ”砂漠の水がめ”スイカが織りなす南部アフリカの暮らしについてお話しします。

 

■第3回 11月12 日(土)13:30~15:30
シベリアで生命の暖かさを感じる

講師:佐々木史郎(国立のアイヌ文化博物館(仮称)設立準備室主幹/専門:文化人類学・北アジア研究)  マイナス40度を超える極寒の世界で人はどのように生きるのか。厳寒世界を包み込むのは、そこに住む人間と自然の暖かさでした。  シベリアやロシア極東、中国東北部の遊 牧民・狩猟民を追った30年を振り返ります。

■会場
モンベル渋谷店5Fサロン
(東京都渋谷区宇田川町11-5 モンベル渋谷ビル)

■参加費
各回1,000円/3回一括2,500円(国立民族学博物館友の会会員は無料)
※要事前申込/先着60名
※実施1週間前を目安に参加証をお送りします。

【連続講座に関するお申し込み、お問い合わせ】
一般財団法人千里文化財団
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1(国立民族学博物館本館3F) TEL:06-6877-8893(平日9時~17時)、FAX:06-6878-3716 e-mail:minpakutomo@senri-f.or.jp

【ほか東京と大阪で関連する催しを実施します。あわせてご参加ください】
【大阪】
■みんぱくブックフェア&トークイベント
・会場:ジュンク堂書店大阪本店3F
・期間:5/9(月)~7/10(日)
《トークイベント》
・日時:5/20(金)19時~(要事前申込)
印東道子×関雄二×白川千尋(「フィールドワーク選書」編集委員、執筆者)
・主催[申込み・問合せ]
ジュンク堂書店大阪本店(06-4799-1090)

■連続講座「カレッジシアター地球探究紀行」
・会場:あべのハルカス近鉄ウィング館9F「スペース9」
・開催時間:13時~14時半
※8月を除く4月~9月(毎月2回)
・主催[申込み・問合せ]
産経新聞社(06-6633-9087)
[共催:近鉄文化サロン、スペース9]

【東京】
■みんぱくブックフェア&トークイベント
・会場:三省堂書店神保町本店
・期間:7/20(水)~8/31(水)
※会期中、「フィールドワーク選書」執筆者によるトークイベントも予定しております。
詳細確定次第、ご案内いたします。
・主催[申込み・問合せ]
三省堂書店神保町本店(03-3233-3312)

世界遺産シンポジウム 文化遺産との共生

アイハウス国際理解セミナー
世界遺産シンポジウム
文化遺産との共生

開催日時:6月9日(金) 18:00~20:30
会場:大阪国際交流センター 小ホール(大阪市天王寺区上本町8-2-6)周辺地図
定員:200名 要申込 参加無料

◆お申込み方法
e-mail、申込フォームにて、または往復ハガキにて、下記へお申し込みください。
聴講無料・申込み受付は先着順。

◆お申込み先
〒565-0826 吹田市千里万博公園1-1
財団法人千里文化財団「世界遺産シンポジウム」係
TEL. 06-6877-8893 FAX. 06-6878-3716
e-mail:minpakutomo@senri-f.or.jp
※いただいた個人情報はこの催しのご案内にのみ使用します。

開催趣旨
現代を生きる世界のすべての人びとが共有し、未来の世代へ引き継いでいくべき人類共通の宝物としてユネスコが認定する世界遺産。2005年7月現在で文化遺産628、自然遺産は160、複合遺産は24の総計812、137カ国にわたる史跡や地域がリストに登録されている。日本でもさかんにマスコミで紹介され、現地を訪れる観光客も少なくない。

ユネスコでの世界遺産条約の採択から34年が過ぎたが、その間、内戦や宗教対立による破壊、環境汚染、盗掘などがあり、すべての遺産が登録時と同じ状況で保存されているわけではない。また、遺産に指定された地元でもさまざまな社会問題がクローズアップされつつある。経済効果だけでなく、外部との接触が盛んになり新しい情報が現地にもたらされることにより、地元住民の生活や意識に変化が起きている。歴史認識のズレや遺産の維持管理にかかる費用や体制の問題も無視できないテーマである。さらに2003年の「無形文化遺産保護条約」の採択をうけて、文化遺産が宿す可能性と問題は、今や文字通り世界規模での関心事となっている。

シンポジウムでは、まずフォト・ジャーナリストの目がとらえた遺跡の現場を紹介し、続いて、地域住民の目線に立って活動を続ける人類学者や保存の専門家の立場から、文化遺産とは何を守り、どのような意味を持つのかを討議する。危機に瀕する遺産の保存という一般的な視点にとどまらず、相互理解の姿勢と国際交流の取り組みを通して、市民が文化遺産、世界遺産とどのように関わり、その創造的継承を実現できるのかを考えていきたい。

プログラム
1部「フォト・ジャーナリストが見た遺跡の現場」(45分)
大村次郷(フォト・ジャーナリスト)
2部「文化遺産の保存継承と住民参加」(90分)
関 雄二(国立民族学博物館研究戦略センター教授)
増井正哉(奈良女子大学生活環境学部教授)
吉田憲司(国立民族学博物館文化資源研究センター長兼教授)

主催:財団法人大阪国際国際交流センター財団法人千里文化財団
協力:朝日新聞社、国立民族学博物館

協賛:講談社、株式会社西遊旅行、中央公論新社、日本放送出版協会


同時開催:写真展「破壊された祈りの場―世界遺産」
会期:2006年6月5日(月)~6月14日(水)
会場:大阪国際交流センター(アトリウム)

世界遺産には盗難や自然災害、武力紛争などにさらされ、危機的状況におかれているものが少なくない。アジア・オリエントを中心に遺跡を撮り続けてきたフォト・ジャーナリスト大村次郷氏が、破壊されたアンコールワットの女神像や塩害のモヘンジョダロ、昨年末に取材した大気汚染に悩むカトマンズなど、世界各地の衝撃的な遺産の現状をカラー写真で報告する。

 


講師プロフィール

大村次郷 (おおむら つぐさと)
フォト・ジャーナリスト 写真家・濱谷浩氏に師事。中東、インド、中央アジア、中国、東南アジアなど、各地のフォト・ルポルタージュを手がける。NHKのドキュメンタリー番組「シルクロード」「大黄河」「四大文明」「文明の道」「新シルクロード」ほかのスチールも担当。朝日新聞社の月刊誌『論座』のカラーグラビア「市場 社会・世界」を2003年7月~05年9月連載。1999年、大同生命地域研究特別賞受賞。

関 雄二 (せき ゆうじ)
国立民族学博物館研究戦略センター教授 専門分野・アンデス考古学、文化人類学(古代アンデス文明の形成過程、現代ペルーの文化行政、考古学と国民国家形成、世界遺産と国別の文化遺産との相互関係)。1990年からクントゥル・ワシ遺跡で発掘を開始。並行して、地元住民の生活に遺跡がいかに根づいてきたかを調査し、文化遺産保護との両立を模索する。

増井正哉 (ますい まさや)
奈良女子大学生活環境学部教授 専門分野は建築史・文化遺産の保存と活用。1983年から京都大学中央アジア学術調査に加わり、パキスタン・インドで仏教遺跡の調査に従事。1996年からユネスコ日本信託基金によるガンダーラ遺跡保存プロジェクト日本チームリーダーとして仏教遺跡の保存修復に取り組む。

吉田憲司 (よしだ けんじ)
国立民族学博物館文化資源研究センター長兼教授 専門分野・文化人類学、博物館人類学。アフリカにおける造形と儀礼の人類学的研究、博物館・美術館における文化の表象のあり方が現在の研究課題。アジア・アフリカ諸国の博物館のネットワーク形成による文化遺産の保全と活用に取り組む。