第120回 【第90回民族学研修の旅関連】巨石の島に生きる―インドネシア・ニアス島の家屋と集落

演題
【第90回民族学研修の旅関連】
巨石の島に生きる―インドネシア・ニアス島の家屋と集落

内容
1万を超える島嶼に200以上の民族が暮らすインドネシア。ここでは、島ごと、民族ごとに異なる個性豊かな木造家屋が生み出されてきました。なかでも独特の巨石文化と、船さながらに家屋が並ぶ壮大な集落景観が知られているニアス島では、今も人が溢れ、あたりまえのように日常生活が営まれています。ニアス島だけが何故、伝統的集落を維持し続けることができるのでしょうか。ニアス島を中心に、インドネシアの伝統家屋、そして建築文化財が直面する課題について考えます。

※講演会終了後、講師を囲んで懇談会を実施します(40分)

講師
佐藤 浩司(国立民族学博物館准教授)

日時
2017年11月23日(木・祝) 13時30分~14時40分

場所
モンベル御徒町店4Fサロン

定員
60名(申込先着順)

備考
■友の会・モンベル会員:無料、一般:500円

第471回 カナダ先住民と建国150年―北西海岸先住民を事例に

演題
【企画展「カナダ先住民の文化の力―過去、現在、未来」関連】
カナダ先住民と建国150年―北西海岸先住民を事例に

内容
建国150年を迎える、多文化主義の国カナダ。 この150年は、先住民にとって、国家との政治的な対立と妥協を繰り返した時代でした。伝統的な生活から切り離されようとするなかで、先住民は一貫してそれらの継承や復興に努め、固有の権利を主張し続けてきました。一方で、先住民が欧米人と毛皮交易を行った結果、伝統的儀礼が大規模化したという例もあります。カナダ先住民の150年を、北西海岸先住民の事例に照らして紹介します。

※講演会終了後に講師の案内のもと、展示見学会をおこないます(40分)。

講師
岸上伸啓(国立民族学博物館教授)

日時
2017年10月7日(土) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会:無料、一般:500円
■展示見学会に参加の方は会員証もしくは展示観覧券をご提示ください。

第470回 シーボルト父子が集めたアイヌ文化

演題
【開館40周年記念特別展「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」関連】
シーボルト父子が集めたアイヌ文化

内容
ドイツ人の医師・博物学者で、19世紀に二度に渡って来日したシーボルト。彼の膨大な収集品の一部には、アイヌ文化に関する資料がありました。シーボルトが収集したアイヌ資料は、古さ、種類の多さ、日本を理解するうえで重要な要素になっていたであろう点で、大きな意味をもっています。そして、彼のアイヌ文化への関心は、次男のハインリッヒへと受け継がれていきました。親子二代に渡るシーボルト家のアイヌ資料収集についてご紹介します。

※講演会終了後に講師の案内のもと、展示見学会をおこないます(40分)。

講師
佐々木史郎(国立アイヌ民族博物館設立準備室主幹)

日時
2017年9月2日(土) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会:無料、一般:500円
■展示見学会に参加の方は会員証もしくは展示観覧券をご提示ください。

 

第469回 民族学で解く千里ニュータウンと大阪万博

演題
【みんぱく名誉教授シリーズ】
民族学で解く千里ニュータウンと大阪万博

内容
千里ニュータウンに暮らす住民は主に1960年代に「出オオサカ」を果たした都市民です。核家族が基本で「家」の観念は薄く、数百年の伝統を継承する村人とは異なる文化を形成してきました。このような千里丘陵における新旧の住民の文化的差異を比較し、1970年の大阪万博がもっていた意味をかんがえます。また、大阪万博の遺産である万博公園が千里丘陵において果たしている役割についても考察を加えたいと思います。

※講演会終了後、講師を囲んで懇談会(40分)をおこないます。

講師
中牧弘允(吹田市立博物館長、国立民族学博物館名誉教授)

日時
2017年10月7日(土) 13時30分~14時40分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会:無料、一般:500円

 

第89回 モンゴル、遊牧の民に出会う―揺籃の地オルホン川上流域と草原都市ウランバートルを訪ねる

第89回 民族学研修の旅

モンゴル、遊牧の民に出会うー揺籃の地オルホン川上流域と草原都市ウランバートルを訪ねる

2017/08/07(月)~08/14(月)

遊牧の知恵を育んだ草原世界へ。遊牧民の精神性とその営みをさぐります。 日本の約4倍の面積をもち、その8割を草原が占める国、モンゴル。ここモンゴル高原では有史以前より、様々な民族集団によって遊牧が営まれてきました。 乾燥した環境下で自然を効率よく利用し、人間が生き抜く術として生まれた遊牧は「移動性」と「人工的に手を加えない」点を最大の特徴とします。こうした精神を受け継いで動物を多角的に利用し、移動をしながら自然や社会の変化に柔軟に対応してきたのがモンゴル遊牧民です。

オルホン川上流域には、肥沃な牧草地を求めた諸民族の興亡の歴史を物語る史跡が点在し、一帯の景観はユネスコ世界文化遺産に登録されています。そこは今も、遊牧民を魅了し続けています。

国の人口の半数近くが集中する首都ウランバートルは、今も昔も「国際都市」としての一面をもちます。チベット仏教の布教とともに生まれ、その後社会主義時代を経てさらに巨大化しました。

第89回民族学研修の旅では、このふたつの土地を中心に訪ね、過去と現在、草原と都市の暮らしから、モンゴル遊牧民の営みとその精神性をさぐります。 郊外のツーリストキャンプでは連日ゲルに宿泊し、”赤い食べ物”(肉料理)、”白い食べ物”(乳製品)とよばれるモンゴル料理を楽しみます。移動途中で遊牧民のゲルを見つけたら訪問する予定です。緑の美しいこの季節、草原を彩る植物を観察する時間もご用意しました。ゲルの組み立て体験や、羊肉を調理する現場の見学も予定しています。

是非ご参加ください。