第443回 企画展「岩に刻まれた古代美術」 聖なる遺跡は物語る アムール河の少数民族ナナイの神話をさぐる

演題
企画展「岩に刻まれた古代美術」
聖なる遺跡は物語る アムール河の少数民族ナナイの神話をさぐる

内容
アムール河流域の諸民族は、多様な口承文芸をもっています。シベリア諸民族と 共通するものもあれば、射日神話や兄妹始祖神話のように日本や中国など東アジ アと共通するものもあります。神話の世界を探ると、精神文化や宗教のみなら ず、近隣諸民族との交流や自然現象との結びつきなどが見えてきます。聖なる遺 跡シカチ・アリャンの岩面画をたよりに、アムール河流域に伝わる神話の世界を 探ります。

※講演終了後、企画展「岩に刻まれた古代美術」を講師の案内のもと見学します。

講師
佐々木 史郎(国立民族学博物館教授)

日時
2015年6月6日(土) 講演会14時~15時10分/展示見学会15時20分~16時

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

2015年巡回展「イメージの力 ─ 国立民族学博物館コレクションにさぐる」

※「国立民族学博物館友の会」会員証を提示いただくと団体料金で観覧できます。

会期
2015年6月27日[土]~8月23日[日] 開館時間 9:30~17:00(入館時間は16:30までとなります)
会場
郡山市立美術館
観覧料
一般:800円(640円) 円高大:500円(400円)
※( )内は20名以上の団体料金
※ 中学生以下、65歳以上、障がい者手帳をお持ちの方は無料
主催
郡山市立美術館
国立民族学博物館
一般財団法人千里文化財団
企画
国立民族学博物館
国立新美術館
日本文化人類学会
助成
日本万国博覧会記念基金


Mandala: Deities of Tibetan and Nepalese Buddhism

民博の所蔵品を展観する「イメージの力-国立民族学博物館コレクションにさぐる」と題する本展覧会は、国立民族学博物館 開館40周年・日本文化人類学会 創立50周年記念事業として、2014年2月から6月まで東京・国立新美術館において開催され、その後、同年9月11日より12月9日まで国立民族学博物館 特別展として開催されました。

本展覧会は、国立新美術館と国立民族学博物館の共同の試みとして、国立民族学博物館のコレクションの中から世界各地の造形を精選し、人類の生み出すイメージの創造と享受のあり方に普遍性があるか否かを観客とともに体験的に検証することを目的としています。この問いは、きわめて人類学的な課題ですが、実のところ、人類学の側からは、文化相対主義への過度のこだわりのため、これまで試みられたことのないものでした。しかし、イメージのはたらきの普遍性を問うことは、そのイメージを介した文化を超えた相互理解の可能性を考えるうえで、極めて重要です。そして、その課題への挑戦は、イメージの学としての美術史学・芸術学との共同によってはじめて可能となるといえるでしょう。

民博のコレクションを美術館の空間で展示し(国立新美術館での企画展)、さらにその美術館の空間で成立した展示を博物館で再展示する(民博での特別展)という試みは、美術(アート)と器物(アーティファクト)、芸術と文化、美術館と博物館、美術史学と文化人類学、西洋と非西洋といったさまざまな既成の区分を改めて問い直すものと言えます。同時にそれはまた、美術館と博物館との協働が生み出す、新しい文化創造の場の可能性をさぐるものでもあります。


助成:助成:日本万国博覧会記念基金

*本事業は日本万国博覧会記念基金の助成をえて実施いたします。

第112回 インナータライにネパール近代化の縮図をみる チトワン国立公園の開発を例に

演題
インナータライにネパール近代化の縮図をみる
チトワン国立公園の開発を例に

内容
標高5000mを超える山々に抱かれる国ネパール。一方で南部には標高100m以下のタライ平野、そしてインナータライとよばれる盆地があります。かつてマラリアが猛威を振るったこれら低地帯では、一部の民族しか生活することができませんでした。 しかし、1951年にラナ専制政治が幕を閉じると、開発と人口移入が一挙に進み、その様相を大きく変えます。本講演会では、中央インナータライに位置するチトワン国立公園などを例に、タライ入植の歴史と自然保護区制定にともなう住民運動を紹介し、多民族国家ネパールの近代化や現代的な課題の一端をさぐります。
●講義と併せ、講師を囲む懇談会も時間内に予定しています。

講師
南 真木人(国立民族学博物館准教授)

日時
2015年6月14日(日) 14時~16時

場所
モンベル渋谷店5Fサロン

定員
60名(申込先着順)

備考
■友の会、モンベル会員:無料、一般:500円

第442回 新南アジア展示関連 躍動する南アジアの背景にせまる

演題
新南アジア展示関連 躍動する南アジアの背景にせまる

内容
南アジア地域は「混沌と停滞」というイメージにつきまとわれてきました。しかし、インドを先頭にした目覚ましい経済発展が続き、今まさに南アジアは政治経済的にも文化的にも躍動の時代を迎えています。みんぱくの南アジア新展示もこれをテーマに構成しています。一見「混沌」としてとらえられがちですが、宗教や文化、生活様式など、さまざまな面での多様性を維持して共存する知恵こそが、今日の南アジアの躍動の秘密であることを本講演会で解明します。

※講演会終了後、新しくなった南アジア展示場を講師の案内のもと見学します。(1時間程度)

講師
三尾 稔(国立民族学博物館准教授)

日時
2015年5月2日(土) 講演会14時~15時10分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料