第350回 現代社会の宗教・信仰(4) 日本宗教の異文化伝道 ―米国における天理教の布教戦略

演題
現代社会の宗教・信仰(4)
日本宗教の異文化伝道 ―米国における天理教の布教戦略

内容
貧・病・争に苦しむ民衆を救うという点で大きな役割を果たしてきた日本の新宗教。高度経済成長を経て社会が豊かになるとともに布教対象、戦略も変更をせまられました。そうした新宗教の歴史と現在を知るために海外布教に力をいれる天理教をとりあげ、異文化伝道の可能性と困難点について考えます。

※講演会終了後、講師の先生との懇談会をおこないます。(約1時間)当日、講演会受付にてお申込みください。

講師
広瀬 浩二郎(国立民族学博物館助教)

日時
2007年8月4日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第71回 民族学研修の旅 友の会発足30周年記念特別企画 日本密教のふるさと ─ ─空海・最澄の足跡をたどる 8日間

第71回 民族学研修の旅 友の会発足30周年記念特別企画 日本密教のふるさと ─ ─空海・最澄の足跡をたどる

2007年8月3日(金)~8月10日(金) 8日間

密教の奥義を求め、唐へ渡った空海・最澄。空海が学んだ大興善寺、恵果法師に弟子入りし、密教を伝習した青龍寺。最澄が学んだ天台山の総本山・国清寺。空海・最澄が学んだ中国密教の史跡を訪ねます。

そのほか、中国一の古刹 白馬寺、浄土宗発祥の地である香積寺、世界遺産にも登録されている龍門石窟、中国四大仏教名山のひとつ普陀山など中国仏教ゆかりの地も訪ねます。


第71回 日本密教のふるさと-─空海・最澄の足跡をたどる 実施報告

「友の会」発足30周年を記念して、今回は22名の参加者とともに、空海、最澄たちが学んだ中国の寺院を訪ねました。

第349回 現代社会の宗教・信仰(3) 色のシンボリズム ―中国の事例にもとづいて

演題
現代社会の宗教・信仰(3)
色のシンボリズム ―中国の事例にもとづいて

内容
特定の色を文化的象徴として用いるのは世界共通に見られる現象で、その根底には宗教信仰とのかかわりが存在します。宇宙観、国家権力、呪力、食文化、年中行事、冠婚葬祭と「色」との関わりを通して、中国人の宗教観とその変化を考えてみましょう

※講演会終了後、講師の先生との懇談会をおこないます。(約1時間)当日、講演会受付にてお申込みください。

講師
韓 敏(国立民族学博物館助教)

日時
2007年7月7日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第348回 現代社会の宗教・信仰(2) 社会主義と宗教 ―旧ソ連とルーマニアの比較から

演題
現代社会の宗教・信仰(2)
社会主義と宗教 ―旧ソ連とルーマニアの比較から

内容
社会主義は無神論の立場から「宗教はアヘンである」と主張しました。しかし、社会主義の衰退とともに無神論はかつての勢いを失い、宗教はいま歴史の表舞台 にたっています。旧ソ連とルーマニアを事例に、近代的理性にもとづいた無神論とはなにか、また、人々が手放さなかった宗教とはなにかを考えてみましょう。

※講演会終了後、講師の先生との懇談会をおこないます。(約1時間)当日、講演会受付にてお申込みください。

講師
新免 光比呂(国立民族学博物館教授)

日時
2007年6月2日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第70回 民族学研修の旅 友の会発足30周年記念特別企画 サンチャゴ巡礼の道  13泊14日

第70回 民族学研修の旅 友の会発足30周年記念特別企画 サンチャゴ巡礼の道 ─

2007年6月13日(水)~6月26日(火) 13泊14日

11世紀には整備され、年間50万もの人が様々な願いや祈りを胸に歩いたといわれるサンチャゴ巡礼路。1993年に世界遺産に登録されたこともあり、あらためて注目を集めています。

サンチャゴ巡礼路にはいくつかのルートがありますが、今回はその中でも最も美しく魅力的なフランスルートをたどってサンチャゴ・デ・コンポステラの大聖堂をめざします。イバニェタ峠をとおってピレネーを越え、旅の最後には巡礼者が生まれ変わるといわれるフィニステル岬まで足をのばす壮大な旅となります。1,600㎞にも及ぶ行程を旅し、巡礼の道の一部を実際に歩く体験をとおして普段はなかなか気づくことのない自分に向き合えるのではないでしょうか。

途中、サンチャゴ巡礼を何度も自身の足で歩き続けているフランス人巡礼者も同行します。巡礼にかける思いや旅で出会ったことなどいろいろなお話を聞くことができると思います。


第70回 サンチャゴ巡礼の道- 実施報告

 「友の会」発足30周年を記念して、第70回民族学研修の旅「サンチャゴ巡礼の道」が15名の方々の参加を得て、2007年6月に実施されました。世界遺産にも登録されているサンチャゴ巡礼路、その中でフランス中南部の都市ル・ピュイからピレネー山脈を越え、スペインの聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラ、さらに地の果てフィニステル岬まで約1600キロメートルをいく壮大な旅でした。


参加者の野中貞宏さん・迪子さんから旅の感想をいただきました。

「サンチャゴ巡礼の道」に参加して

今回研修の旅に参加して、興味のあったこと、印象に残ったことをいくつか書いてみたい。 昨今、聖地巡礼は多くの人びとの関心を集め、熊野古道、四国遍路などが賑わっている。

サンチャゴ巡礼も聖年には1000万以上の人が参加するようだが、すでに中世の時代に50万人を超える巡礼者がいたという。当時の人びとが道すがら見たであろう風景がロマネスク建築や彫刻である。これらが今回巡った「ル・ピュイの道」にたくさん残されていることに大いに関心をもった。出発地ル・ピュイのノートルダム大聖堂、サン・ミシェル礼拝堂やコンクのサン・フォア教会堂入口の「最後の審判」図が印象深い。モアサックのサン・ピエール修道院では、中庭の回廊にある列柱の彫刻と建物がもつ雰囲気に圧倒された。そのほか、グレゴリオ聖歌を聞いたサン・ドミンゴ・デ・シロス修道院など数多くの教会や修道院を詳しい解説を聞きながら見学できた。

民博名誉教授の大森康宏先生と特別展「聖地・巡礼」の映像に出演したフランス人巡礼者ミッシェル・ラヴェドリンさんの案内で巡礼路を実際に歩くという経験もできた。ピレネー越えは雨の中、イバニェッタ峠を登った。パンプローナ郊外のベルトン峠の丘陵地を外国人巡礼者に混じって歩いた。ブルゴス郊外では、広大なメセタ平原をつらぬく麦畑とアマポーラの赤い花の咲くまっすぐな道を10キロメートルにわたり貝殻の道標に導かれて歩いた。

最後の「ゴソの丘」からサンチャゴ大聖堂に向かって歩いたことも印象深く、すばらしい体験であった。2週間の研修の旅は内容が濃密で、毎日があっというまに過ぎてしまった。

これから資料や記録写真の整理をしっかりしておきたい。