第385回 日本に暮らす外国人の今 特別展「多みんぞくニホン」その後

演題
日本に暮らす外国人の今 特別展「多みんぞくニホン」その後

内容
日本の外国人登録者数は2005年に200万人を超え、その後も増え続けています。外国人スポーツ選手やテレビタレントの活躍、エスニックレストランや国際結婚の増加などもあり、日常生活において外国人に接することもめずらしいことではなくなっています。彼らは日本社会の中でどのように暮らしているのでしょうか。

※講演会終了後、講師との懇談会をおこないます。(1時間程)講演内容などの質疑応答や会員同士の交流の時間にもなっています。ぜひご参加ください。

講師
庄司 博史(国立民族学博物館教授)

日時
2010年7月3日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

2010年企画展「チベット ポン教の神がみ」

人間文化研究機構連携展示
「チベット ポン教の神がみ」
会期:2010年7月2日(金)~9月10日(金)
会場:国文学研究資料館
開館時間:午前10時~午後4時30分
休館日:日曜日
主催:人間文化研究機構 国文学研究資料館 国立民族学博物館

チラシ ポン(Bon)教は中国のチベット自治区全域、四川省、甘粛省、青海省、雲南省からヒマラヤ南麓にまでひろく分布している宗教で、仏教がチベットにもたらされ、政権と結びつく前まではその地域の主流を占めていました。土着的要素と密接な関連を保ちながら、独自の高度な教理体系を築きあげ、少数派ながら今も宗教集団として生き続けています。チベット仏教の哲学・儀礼の随所にポン教からの影響が認められます。また、古いポン教徒はシェンシュン語という未だその系統も文法も明らかにされていない言語を用いていました。この言語はチベット文語の成立に重大な影響を及ぼしたはずであると推測されます。このように、ポン教はさまざまな面で、チベットの文化基盤を代表する宗教であり、その地域を理解する上で不可欠の要素と言えるでしょう。

本展示では、ポン教が築きあげてきた宗教的宇宙の構造の一部を図像資料によって紹介するとともに、ポン教の歴史や現代における分布、儀礼なども紹介します。これによってチベットの基層文化に関する理解を少しでも深めていただければ幸いです。


関連催し
● 第94回「国立民族学博物館友の会」東京講演会
友の会東京講演会は会員のみなさんへむけて開催している講演会です。
日時: 2010年7月19日(月・祝)14:00~15:15
演題: チベット ポン教とは何か
講師: 長野泰彦(国立民族学博物館教授)
内容: ポン教は、仏教伝来以前からチベット文化域に広く分布している宗教で、チベット精神文化の基層を形成しています。ポン教の歴史や仏教との関連、現代におけるポン教の実態とポン教研究の意義についてお話しします。
会場: 国文学研究資料館 大会議室
定員: 200名(要申込)
参加費: 「国立民族学博物館友の会」会員 無料 一般 500円

第94回 【人間文化研究機構連携展示「チベット ポン教の神がみ」関連】 チベット ポン教とは何か

演題
【人間文化研究機構連携展示「チベット ポン教の神がみ」関連】
チベット ポン教とは何か

内容
ポン教は、仏教伝来以前からチベット文化域に広く分布している宗教で、チベット精神文化の基層を形成しています。ポン教の歴史や仏教との関連、現代におけるポン教の実態とポン教研究の意義についてお話しします。

※講演会終了後、懇談会と展示解説をおこないます。(会員限定)

講師
長野 泰彦(国立民族学博物館教授)

日時
2010年7月19日(月・祝) 14時~15時15分

場所
国文学研究資料館大会議室

定員
200名(申込先着順)

備考
■友の会会員と同伴者:無料、一般:500円

第76回 民族学研修の旅 シベリアの森を歩く ─ 少数民族ナーナイの村を訪ねて

第76回 民族学研修の旅 シベリアの森を歩く ─ 少数民族ナーナイの村を訪ねて

2010年7月26日(月)~7月30日(金)

アムール川流域に暮らす少数民族ナーナイを訪ねます。針葉樹林の森に暮らし、伝統的に狩猟生活を営んできた人びとの文化を学びます。森や大自然に捧げられた祈りや歌、白樺を利用してつくられたカヌー、サケの皮でつくられた衣服など森と暮らす人々の生活を学びます。 針葉樹林や大河アムール川の散策、そして森と川のめぐみたっぷりのお食事なども楽しみましょう。


第76回 シベリアの森を歩く-少数民族ナーナイの村を訪ねて 実施報告

ハバロフスクからアムール川沿いに北上すること500キロ。少数民族ナーナイの村を訪ねました。村では、人びとのあたたかいもてなしを受けました。舞踊などを披露してもらったり、伝統工芸の体験などもさせてもらいました。食事も私たち日本人にもなじみやすい味で、名物の鯉や鮒のスープにハンバーグ、赤シカの肉団子、とれたての野菜や蜂蜜などをいただきました。 参加者からの感想を紹介します。

<小川朋海さん>
ロシアは、私のイメージよりもずっと明るい国でした。ハバロフスクだったからでしょうが、旧ソ連の名残もあるけれど、BRICSというか日本には少なくなっている元気さがあったような気がします。古い教会がなかったのが残念でなりません。ナーナイ地区は驚きの連続でした。穴をほっただけのトイレ、舗装されていない道路なのに家の中ではテレビが見えて、生活も私たちとあまり変わらない快適そうな暮らしをしていることなど。でも伝統は受け継がれていって欲しいと思いました。

<橘ミワさん>
少数民族ナーナイ村民あげて、犬も猫も総出での歓迎に驚き。今更ながら失われつつある古き良き日本の昔を思い出しています。

<枡野玲子さん>
コンドン地区、トロイツコエ地区のナーナイの人たちは魚皮や白樺の樹皮を原材料として衣類、靴、器などを製造していることを実感。見るだけでなく体験までさせていただいて、彼らの生活の仕方やあり方が生業─漁撈と植物の採集─と深く関わっていることがよくわかった。体験した魚皮のなめしによって、魚皮を使ったものを作るのは気が遠くなるほどの時間と労力、特に体力が必要だと痛感した。

<大城順次さん>
旅行3日目、同行講師のフィールド・コンドン村に到着するなり、ナーナイ民族伝統の儀式や舞踏などの大歓迎セレモニーに感動する。昼食後、雨天のため室内に場所を変えて、様々な民族伝統の舞踏・演劇ショーを見学する。この日のために、長期間にわたり村人たちが準備・練習を重ね続けてくれたであろうことを想うと、強く心を打たれた。我々の見た、ナーナイ人の舞踊は現代的にショーアップされてはいたが、シャーマンの踊り、結婚の踊りなどとても美しく楽しいものであった。
3日目のコンドン、4日目のトロイツコエ両村で民族芸術・工芸等の体験学習は今回の旅の圧巻であった。なかでも、魚皮の衣服の製造実演と説明受け、我々も伝統の器具を使って、揉んだり、挟んだり、堅い表皮を剥いだりすることなどで、魚皮を柔らかくする方法を体験したことがその一例。「そうか! このような道具を使い、このようにして堅い魚皮を柔らかくしていたのか」との発見の喜びもあった。
今回の研修旅行はナーナイ民族の人たちと交流する時間が多く、得難い体験をするとともに、日本人のルーツの一端に想いを巡らすことができた。短期間ではあったが、まことに楽しい研修旅行であった。


トロイツコエの文化センター所長さんのお宅にて。
手作りの昼食をいただきました。


コンドン村の聖なる丘の前にて。


トロイツコエの郷土博物館。やさしい顔の神像がお出迎え


7 アムール川にて釣りをする漁師さんを発見。
網を川にいれてひとすくいでも魚が何匹かかかっていた様子でした。

第384回 東西文明の融合都市、イスタンブール

演題
東西文明の融合都市、イスタンブール

内容
ボスポラス海峡をはさんで、アジアとヨーロッパにまたがるイスタンブール。東ローマ、オスマン帝国の首都として、ふるくから多くの民族が行きかう十字路であり、また東西交易の中心都市でもありました。トルコのEU加盟は苦戦する一方、今年、欧州文化首都に認定されたイスタンブールは、かつてのように東西の文明を融合させる都市となりうるのでしょうか。

※講演会終了後、講師との懇談会をおこないます。(1時間程)講演会の内容で気になったことや民博に対する意見など、気楽にお話しいただける時間です。ぜひご参加ください。

講師
新免 光比呂(国立民族学博物館准教授)

日時
2010年6月5日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料