客船「飛鳥」 舞台裏の国際社会
芳賀日出男
98日間世界一周の旅をつづけるうち、この日本の客船「飛鳥」が多国籍の船員たちによって運航される「混乗船」であることを知った。ボーダーレス時代の国民性を世界一周客船にみる
アラム語を話す村マールーラ
川又一英
イエス・キリストはユダヤ人でありながらアラム語を母語としていた。キリスト教がオリエント世界から地中海世界にひろがるにはギリシャ語がアラム語に取って代わった。アラム語は地上からほとんど消え、今日では、この聖なる言葉は、シリアのマールーラと周辺の村で生き残っているだけである
神と人との交流の宴ルロ
長野禎子
いっせいに焼き払われる供物、人体の肉と血を神に捧げる針刺し。青海省チベット族を中心につたわるルロの祭りに、供物の「破壊」と、身体をとおしての神とのコミュニケートという、チベットの宗教の基層をみることができる
長野県新野の盆踊り
文・小川博司
写真・岡本 央
夜を徹し、唄声とかけ声が山間の地に響きわたる。楽器もレコードもいっさい使わず、10時間近くもつづくこの盆踊りの、独特のノリと快楽
川蔵公路を行く
鎌澤久也
おとずれる地域ごとにちがった表情をみせるチベット。四川省の成都からチベット自治区のラサをつなぐ、2500キロの道のりを辿った
バルト海の要衝オーランド
小谷 明
フィンランドとスウェーデンに挟まれたバルト海北部、ボスニア湾の入り口に点在するオーランド諸島。のどかな風景のなか、廃墟と化した要塞からは、歴史をものがたるように砲台が海を向いている
海を渡った「大モンゴル展」
写真・大塚知則
文・張 慶浩/松原正毅/李 仁淑/小長谷有紀ほか
民博で1998年に開催された特別展「大モンゴル展」がこの六月から韓国のソウル郊外の京畿道博物館でも開催されている。日本、韓国、モンゴルの3国の協力のもとに立案された企画が実現するまでの経緯をそれぞれの立場でふりかえり、その意義を考える
民族学者のまなざし8
「制度」としての人類学者
大塚和夫