第82回 民族学研修の旅 マダガスカルの森と海を訪ねる ─ ─サザンクロス街道をゆく
2013年7月9日(火)~7月20日(土)12日間
【霧の森、ザフィマニリの村を訪問】
特別展の舞台、ザフィマニリの村は標高千メートルの高地に点在しています。私たちはその玄関口となる村を訪ね、展示に登場した家の中を見せていただいたり、村を散策しながら、人びととの交流をはかります。 日本での展示開催にあたって、現地で協力してくれた人たちが展示を見た人の感想を聞きたいということで、展示場に「霧の森に通じるポスト」が設置されています。そこで集められた感想や手紙を村の人たちに届けながら、実際に現地を訪問している私たちの感想も伝えたいと思います。
【“無形文化遺産”の意味を理解する】
ザフィマニリの村には「特別な」建物や遺跡などはありません。彼らの場合は木彫に関わる技術や知識が、コミュニティを支えるのに重要な役割を果たしているということが、無形文化遺産登録のおもな理由でした。村では木彫だけでなく、カゴや敷物を編む姿など、身近にある材料で生活用具が作られる様子があちこちで見かけられます。なんの気負いもなく、必要なものをみずから作ってくらす村の空気、時間の中でこそ、こうした“無形文化遺産”の意味をより深く感じることができるのではないでしょうか。
【西海岸の漁村のくらし】
マダガスカルのくらしや文化は、森のくらしだけでは語ることができません。そこで海にくらす人びとも訪ねます。同行講師は長年、ヴェズという西海岸の漁民の人びとのくらしや漁撈技術の調査をすすめてきました。漁に使うカヌーを見せていただくなど、漁の様子や彼らのくらしについても、村の人からお話をうかがいます。 マダガスカルの森と海のくらしが今回の旅のテーマですが、やはりマダガスカルの壮大な自然も見逃せません。地図にお示ししたサザンクロス街道を走破しますので、マダガスカルの大きさ、そして多様な地形、環境の移り変わりもお楽しみください。