第66回体験セミナー企画展「記憶をつなぐ」関連
「稲むらの火祭り」訪問と企画展および関連催し「鵜鳥神楽」見学会 ─
2012/10/20~10/21 1泊2日 *現地の事情により中止となりました。
今回の震災をうけて、ある地震研究者は「完全な地震の予知、巨大な堤防の建設よりも1,000年間この経験を伝えるために、世代ごとにその時代に合わせた方法を考えることが必要ではないか」と述べています。本企画展でも日本の沿岸部に残る津波碑や寺社による地震や津波の記録を伝える役割について取り上げていますが、その一つである和歌山県広川町では、稲むら(稲藁)に火を放ち避難者を誘導した逸話の記憶をつなぐさまざまな取り組みをおこなっています。記念碑だけでなく、語り聞かせや堤防の土を盛る追体験のほか、逸話にちなんだ松明行列を含む祭りも開催しています。今回はこの祭りにあわせて同地を訪問し、町としての継承活動について学びます。
翌日は企画展の見学会のあと、企画展関連催し「鵜鳥神楽」も観覧します。鵜鳥神楽は三陸沿岸の村々を回って歩く大きな神楽で、無形文化財にも指定されています。展示では神楽の装束が展示されています。被災後、早くから神楽の復興が目指され、人びとの心の拠り所ともなってきました。
祭りをとおして地域にとって重要な情報を継承する事例、また、祭りがいわば紐帯として地域の人びとの気持ちをつなぐ事例など、祭りの意味についてもさまざまな角度から考える機会にしたいと思います。
講師:日高 真吾(国立民族学博物館准教授)
10/20(土)稲むらの火祭り見学
祭りが行われる広八幡神社、稲むらの火の館、濱口梧陵関連史跡などを見学。夕方から稲村の火祭りの松明行列に参加。
10/21(日)企画展および研究公演「鵜鳥神楽」見学
貸切バスで国立民族学博物館へ移動。解説つきで企画展を見学後、午後からは研究公演「鵜鳥神楽」を観覧。 (開催中の特別展「世界の織機と織物」もあわせてご覧下さい)